Amazonでは大々的に展開していた「Just Walk Out」の廃止する方向性で導入店舗の大幅縮小を発表した。
「Just Walk Out」とはAmazonが開発・推進していたレジなし店舗向け決済技術のことで、店舗内に設置したカメラやセンサーによって利用者の動きや手にした商品を認識し、そのまま店舗を出るだけで後から請求書が届いて支払いするという仕組みだ。
Amazon直営のレジなしコンビニ「Amazon Go」や食料品店「Amazon Fresh」の一部に導入しているほか、他社への販売も行っていた。Amazonのプレスによると、「Just Walk Out」の大幅縮小に伴い、スマートショッピングカート「Dash Cart」を導入する計画だという。
ただし、「Just Walk Out」も全廃するわけではなく、スーパーよりも規模の小さい「Amazon Go」のようなコンビニエンスストアのほか、スポーツ競技場や大学の売店などで使い続ける予定だという。
「Just Walk Out」の廃止方針の背景として、実際には画像認識技術だけでなくスタッフが映像を確認してレジ処理する場合が多々あった、また、インドから約1,000人の人力で精算内容をチェックしていたなど、結局は人力でサービスを展開していたことが明らかになり、レジなし店舗を巡るさまざまな課題が浮かび上がったことも大幅縮小の方針に影響を与えたと指摘するアナリストもいる。
国内外問わず、企業のDX化の推進が叫ばれている昨今ではあるが、その導入過程では、世界的な企業であるAmazonですら「Just Walk Out」のような失敗例があるということは覚えておく必要があるだろう。