スターバックスユーザーのロイヤルティシステムを向上させることに特化したこのプログラムは、実施からわずか1年で幕を閉じた。
終了した理由は明らかにされていないが、正確にはプレスリリースで「Web3.0開発の次なるステップに向けた準備が必要」であるためと記されている。
このプレスリリースを鵜呑みにすると、次期プロジェクトの準備期間を設けるため、もしくは“ベータプログラム”としていることから、このプロジェクト自体が今後のプロジェクトのために試験的に運営されたとも読み取れる。
しかし、スターバックスの最高マーケティング責任者であるブレイディ・ブリュワー氏も「Web3.0エクスペリエンスに革命を起こすだろう」と語っていたことからもわかる通り、このプロジェクトが開始した当初はスターバックスにとって肝入りのプロジェクトだったはずだ。それが1年足らずで終了したということは事実上の失敗だったといえるだろう。
このプロジェクトに関連するNFTの価格をチェックしてみると、オデッセイNFTのラインナップの大部分が赤字であることから、このことがプロジェクト終了の原因の主であることが想像に難しくない。
具体的には同プロジェクトのセイレーンシリーズを除いて、ほかのシリーズのNFTはすべて発売時の価格を下回っており、そのほとんどが90%以上の価格下落となっている。つまり、最初にオデッセイシリーズのNFTを購入したユーザーはすでに赤字となっている可能性が高い。
また、ユーザーがクエストをこなすことで無料で手に入るNFTのフロア価格も一桁までさがっている。これでは最初にクエストをこなすためにユーザーが消費したコストをカバーすることはできない。では、オデッセイNFTのラインナップの大部分が赤字となった要因は何であろうか。