——2024年に入り、これまで4大経済圏と呼ばれるものに大きな動きあったと思いますが、その辺の動向をまず簡単に教えてもらえますか。
新井:2024年に入り、これまで4大経済圏と呼ばれていたものが、TポイントとVポイントが統合して「新Vポイント」となってあらたな経済圏を形成して5大経済圏と呼ばれるようになってきました。新Vポイント経済圏は経済圏のなかでも特に確固たる牙城を築いていた楽天経済圏を脅かすのではともいわれてます。

——そのなかでも昨年、ヤフーと統合してあらたな経済圏を形成すると話題になったLINE経済圏ですが、改めてその成り立ちについて教えてもらえますか
新井:各経済圏の成り立ちはいずれも大枠は一緒です。LINE経済圏はLINE、楽天経済圏は楽天市場と、経済圏を形成するファクターとしてプラットフォームを持っています。プラットフォームを持つということは個人のIDと購買データを持つということです。ここにも経済圏を形成するファクターがあります。顧客が商品を認知して購入に至る行動ステップ、つまり、各ファネルにおけるサービスを同一のプラットフォーム内で完結できるというのが経済圏を形成する仕組みになっています。
LINEの場合は、LINE広告をみたLINEユーザーがLINE Payで買い物をする、さらにキャンペーンに参加、LINEクレジットカードの利用などを通じてLINEポイントを貯めるという流れが生まれ、経済圏が形成されます。LINE経済圏はサービスラインナップもLINEショッピングやLINE証券、LINEポケットマネー、LINEスマート投資、LINEクーポン、LINE FXなど、楽天と張り合うぐらい充実していて、それらサービスがLINE上の「ウォレット」からアクセスできるというのが特徴です。