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暗号資産を“擬人化”した注目ブロックチェーンゲーム「コインムスメ」の魅力や今後 辻拓也氏独占インタビュー

2024/08/19 10:26 (2025/04/11 15:18 更新)
Iolite 編集部
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暗号資産を“擬人化”した注目ブロックチェーンゲーム「コインムスメ」の魅力や今後 辻拓也氏独占インタビュー

暗号資産を擬人化させた注目ゲーム「コインムスメ」の魅力や秘められた想いとは?

暗号資産を“アイドルキャラクター化”した「コインムスメ」。これまでにない2.5次元アイドル要素も兼ね揃えた注目プロジェクトを率いる辻氏に対し、その魅力やゲームリリース時期などを聞いた。

——ブロックチェーンゲーム領域に参入したきっかけをお聞かせください。

辻拓也(以下、辻):僕がブロックチェーンゲームを作ろうと思ったきっかけは、今までのスマートフォンゲームやオンラインゲームと異なり、報酬が資産として得られるという点で、あたらしいゲーム体験を提供できると考えたからです。ブロックチェーンを使うことでゲーム内資産を現実世界で売買できると考えると、面白いゲームを作ることができそうだと思ったんです。

僕自身、これまでソーシャルゲームでビジネスを展開してきました。ソーシャルゲームが出たばかりの頃は、コンシューマーゲームとは違いクオリティはチープでしたが、その一方であたらしい体験を生み出していました。

現在ではコンシューマーゲームに近いクオリティのソーシャルゲームも展開され、マーケットも拡大しています。ブロックチェーンゲームマーケットという市場が確立されるかはまだ不透明なところもありますが、私自身は可能性を感じています。それと同時に、これまでのゲームとは違ったものにしないといけないという意識が非常に強いですね。

トークンを発行する意義は『コミュニティの存在』

——「コインムスメ」のコンセプトや特徴、こだわった点について教えてください。

:コインムスメは「ブロックチェーンゲームならではの体験に特化する」ということを意識しています。今までのスマートフォンゲームにブロックチェーンを活用したというだけでなく、ブロックチェーンを使うからこそできるゲーム、ブロックチェーンがないと成立しないゲームにする必要があると考えています。

具体的には、Play to Earn(P2E)とコミュニティの2点を重要視しています。

まずP2Eでは、わかりやすい体験に特化した企画にしています。ゲームの内容にこだわり開発費などを消費するのではなく、特にユーザー還元を意識して設計しています。

またゲームの仕様上、プレイを通じてトークン量が増減するため、過度にユーザースキルに依存しないような設計にしています。なるべくビギナーズラックが発生し得るような設計も意識しました。

コンシューマーゲームは格闘系やRPGが多く、ソーシャルゲームですと時間をかけてプレイするか、課金をすることで時間を短縮するかという話になってきますが、コインムスメはそのどちらでもないんです。また、コインムスメではゲーム売上で利益を上げようとしていない点もほかにはない特徴だと思います。

僕が1番考えていることが、“ブロックチェーンゲームにトークンが必要なのか”ということです。僕自身、答えはまだ見出せていないですし、巷でも議論もされている点でしょう。

なぜトークンが発行されるかといえば、端的にいえば発行体が儲かるからということが大きいです。発行体が“儲かる”という結果だけをみれば、すでに事例もいくつかありますので、それをみて皆トークンを発行するプロジェクトも少なからずあるでしょう。

ただ、現状をみているとトークンを発行する意義のないゲームが多いなと思うんです。ゲームに限らず、プロジェクトなどが中央集権的な活動をしながら、トークンを発行し、その価値を紐付けられていないところにとても違和感を感じています。世界全体でみれば、中身は充実していないにもかかわらず、マーケティングで買いを煽ってトークンを発行し、売り抜けるというプロジェクトも少なくありません。

これがコインムスメで重要視している2つ目のポイントにもつながるのですが、僕はトークンを発行する意義は「コミュニティの存在」にあると考えています。さらに踏み込んでいえば、ゲーム内トークンである「ムスメコイン(MSM)」そのものにファンをつくることです。

ゲームプレイヤーを増やすことももちろん重要ですが、ホルダーを増やすことはファンを増やすことにもつながりますので、1つのゴールにもなり得るのではないかと考えています。トークンを使うことによる数字的な恩恵よりも、コミュニティとしての体験づくりを重視すべきだと思いますね。

ある意味では、現在盛り上がっているミームコインは本質を突いていると思うんです。ミームコイン自体は最初から価値がないとわかっているにもかかわらず、ファンが付いて面白いと思う人たちが集まって価値が高まっています。これはトークンというよりも、コミュニティ体験に価値が付いている例であるといえます。

コインムスメでもトークンにファンを付けるという点で共通する部分はあり、ゲームを超えてこのトークンを持っていることで価値が上がる喜びやコミュニティとのつながりができることへの楽しみなど、複合的な体験を提供することも大事だと思いますね。一言でいえば、ブロックチェーンゲームにトークンを活用することの意義としては、こうしたハートの部分が重要なんだと感じます。

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