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生成AIの問題点 利便性や有能性に隠された課題に迫る

2024/07/29Iolite 編集部
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生成AIの問題点 利便性や有能性に隠された課題に迫る

企業が生成AIを活用する際の“7大リスク”とは?

ChatGPTの登場以来、生成AIはその利便性から仕事やプライベートなどあらゆる場面で活用されている。

生成AIの技術の進化は目覚ましく、生成AI関連の商品・サービスが次々と発表される一方で、業務目的での利用となるとさまざまなデメリットや問題点があるのもまた生成AIの現状である。本項では生成AIの問題点と対応策について考察していきたい。

「生成AI時代元年」ともいえるChatGPTを始めとする生成AIの急速な発展は各業界に革命的な変化をもたらしている。ある企業では作業の効率化、ある企業では新アイデアの創出と、企業ごとに導入理由は違えど、国内企業においてもさまざまな導入実績が報告されており、企業利益を生む重要なツールとして今後はさらに生成AIが企業にとってなくてはならないものになっていくことは想像に難しくない。

また、米国のマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、生成AIの経済的ポテンシャルはユースケースにもとづく観点だけで見積もっても年間で2.6~4.4兆ドルの経済効果をもたらすとされ、今後も右肩上がりで市場が拡大していくとしている。日本においても2023年から2030年にかけて年平均約47.2%の増加が見込まれ、2030年には1兆7,774億円と、2023年比の15倍弱まで拡大する見通しであるとされている。

株式市場においても生成AI関連銘柄が大化けした例が多数あり、たとえば、サウンドハウンドAI(SOUN)の株価は2月上旬に動意づき、2月27日の高値まで1ヵ月にも満たない期間で約4.6倍化した。サウンドハウンドAIは米国株市場における話だが、日本市場においても株価が急上昇しているAI関連株が相次いでいる。市場の拡大とともに株価も上昇していくのは間違いない。

生成AI関連の商品・サービスも今後は次々とあらたなものがリリースされていくことも想像に難しくない。将来的に生成AIはマルチモーダル化によって、ユーザーは複数の情報やシステムを生成AIを介し、なおかつ、ユーザーがシステムの複雑さを意識することなく、シームレスに連携させて使用できるようになると考えられている。たとえば、生成AIがUIとなり、ユーザーの入力に応じて、システムを選択・活用するようになるのも可能になるだろう。実際にUI関連に関しては、生成AIでUIのデザインやソースコードを生成することもできるようになってきている。瞬時にUIを生成するAIツール「Galileo AI」などが代表例だ。Galileo AIは誰でもブラウザ上ですぐに使えて、ノーコードでUIを自動生成できるため、これまでFigmaやAdobeXDなどのデザインソフトで進めていたUI制作の作業時間を大幅に短縮できるとして話題となっている。

また、AIエージェントの活用も現在より実用化され、生成AIが人やシステムを動かす時代になっていくことも予想される。Microsoftは、Copilot AIシステムをバーチャル社員のように独立して動かすことができると発表したほか、OpenAIは、「見て、聞いて、話すことができる」GPT-4 Omniを公開しており、同社のサム・アルトマンCEOは、AIエージェントは最も技術的ポテンシャルがあるとしている。

このようにAIエージェントの実用化に向けて各企業が開発を進めている状況だが、その一方で、AIエージェントが普及するためにはいくつかの課題があることも指摘されている。たとえば、生成AIには誤った情報を出力する「ハルシネーション」という問題がある。AIエージェントが生成AIを使った場合、何らかの影響を受けて誤ったタスクを実行したり、間違ったアウトプットが生成されたりする可能性があるのだ。こうしたAIエージェントが常に正しくタスクを実行するわけではないという点で不確実性が高く実用性に向けてハードルが高いとされている。

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