アルゼンチン政府は、マネーロンダリング防止法とテロ資金供与防止法(AML/CFT)に基づき、暗号資産(仮想通貨)関連企業に対する登録制度を導入するを決定した。
アルゼンチンの証券規制当局に該当するCNV(アルゼンチン証券取引委員会)は、「暗号資産サービスプロバイダーはFATF(金融活動作業部会)の監督下のもと運営しなければならない」と発表した。これにより、現時点でアルゼンチンにおいて暗号資産関連サービスを提供する企業やユーザーに何らかの影響が及ぶことも考えられる。
アルゼンチン政府による今回の動きは、暗号資産関連規制を厳格化する世界的な動きに続くものだ。現在、各国の規制当局などはマネーロンダリング、テロ資金供与、そのほかの違法行為阻止を目的として、暗号資産関連の取引を監視及び管理するための法整備、規制の枠組みの確立を目指している。
アルゼンチンの規制の目的は、国内で暗号資産に関連するサービスを提供する法人、個人を特定することであり、先月可決されたマネーロンダリング、テロ資金供与および大量破壊兵器の拡散の防止に関する法律に沿ったものだ。
CNVのロベルト・シルバ(Roberto Silva)会長は「マネーロンダリングとテロ資金供与防止のための国家規制制度を改定する法律を遵守するため、我々は昼夜かけて取り組んできた。FATFがこの国のこの問題に関する勧告を考慮することがあり、暗号資産サービスプロバイダーの登録手続きを開始した。登録されていない業者は国内で事業を行うことができない」と強調した。
登録には、Webページ、ソーシャルネットワーク、そのほかのメディアを使用し、アルゼンチンに居住する居住者にオファーや広告を送り、国内で一定規模の事業を行っている者、または何らかの種類のテクノロジーを使用して情報を受け取るすべてが含まれているという。
暗号資産関連の規制整備で迅速な動きをみせるミレイ政権
アルゼンチンではハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領が昨年就任して以降、加速度的に暗号資産関連の規制整備が行われている。
昨年12月には契約や支払いでビットコインなどの暗号資産を使用することを許可された。また、一時暗号資産税制についても整備がされる見込みであったが、今年2月の時点で白紙に戻っている。しかし、今後も暗号資産税制を巡る動きがあるものとみられ、申告時期によって段階的に変動する税率を検討する可能性がある。
参考:発表
画像:Shutterstock
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