新潟県粟島の粟島浦村は5日、ふるさと納税を通じた「デジタル島民」の募集を開始することを発表した。
ふるさと納税寄附者にNFTの「島民証明証」を発行し、「粟島お魚セット」や「粟島の未来を決める投票権」など類似島民体験を提供していく。本格的な島民証明証が発行される初の試みとなる。
粟島浦村(新潟県岩船郡粟島浦村日ノ見山)は過疎化が進み、現在住民は325人と人口減による人材不足、連鎖する財政難の問題などに直面している。今回のプロジェクトでは、NFTを活用し、島の交流人口を創出すると共に、持続可能な粟島の未来を創出するとしている。
第1弾として、11日からふるさと納税寄付者への返礼品としてNFTを発行する。希望者は納税前にウォレット(Mata Mask)を作成し、ふるさと納税サイト「JRE MALL」から寄付を行う形だ。
粟島デジタル島民の5つの返礼品として下記の提供を予定している。
1.「島民証明証」
粟島に描かれた壁画作品を採用したNFTを発行。唯一無二の粟島島民の証明になる。
粟島デジタル島民証明証に使用されるNFTアートは、「粟島弁天」が3万円で35名限定、「粟島ハヤブサ」が3万円で15名限定、「Fanfarria」が3万円で50名限定、「粟島浦村とのミューラルアート共同所有権」が30万円で1名限定が2組。
2.「島民お祝い品」
お祝い品として、粟島でしか手に入らない「粟島お魚セット」「粟島日本酒・焼酎セット」の贈呈。
3.「粟島の未来を決める投票権」
粟島で行いたいことをデジタル島民へ粟島アプリ「しらせあい」にて投票形式で募集する。
4.「粟島の未来に向けた意見を募集」
粟島アプリしらせあいで意見を募集した上で、ふるさと納税の寄付金を活用して実施する。
5.「粟島イベントご案内」
デジタル島民に向けた粟島のイベント案内。
また、21日には粟島港前広場で「デジタル島びらき」のイベントを実施する。粟島汽船新船手続きやデジタル投票などの体験会が行われる予定だ。
NFTを活用したデジタル島民プロジェクトが成功すれば粟島浦村のあたらしい未来が開かれることになる。ひいては、同じような課題に直面するほかの地方自治体にも反映できる成功事例となる可能性がある。
これまでに、NFTを活用して地方創生に成功した事例は、北海道の余市町(ワインの購入権利をNFTで発行)、夕張市(夕張メロン1玉の発送権利をNFTで発行)、山古志村(デジタルアートをNFTで発行×電子住民票)など16以上に及ぶ。
参考:発表
画像:発表より引用