スペインに拠点を置く名門サッカークラブであるFCバルセロナは11日、Web3.0戦略を進める一環で、ドイツのサッカークラブにおける財務コンサルティング会社リベロ・フットボール・ファイナンスAG(Libero Football Finance AG)及びオランダのベンチャーキャピタル会社ニパ・キャピタルB.V.(Nipa Capital B.V.)から1億2,000万ユーロ(約190億円)を調達したことを発表した。
今回の資金調達を受け、バルセロナの株主から承認を受けた後、同クラブのWeb3.0プラットフォーム「バルサ・ビジョン」を運営するブリッジバーグ・インベスト(Bridgeburg Invest)の株式が2社に譲渡されることとなる。なお、2社の出資比率はあわせて29.5%になるという。
バルサ・ビジョンとは、NFTやメタバースといったWeb3.0及びブロックチェーンに関連したデジタルコンテンツを通じてあらたなファン体験を提供するプラットフォームだ。
バルセロナのジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長は発表で「クラブのコンテンツ戦略は成功し、あらたな収益源を生み出すだけでなく、世界中のファンとつながるあらたな方法を提供している。今回の取引はデジタルスポーツ・コンテンツへの需要が明らかに拡大している今、2022年に始まったデジタル変革の道を強化し、成長を続けるためのあらたなリソースを提供する戦略的な一歩だ」と述べた。
バルセロナではこれまでもWeb3.0に関する取り組みが見受けられている。
2020年2月には、ブロックチェーン企業のチリーズ(Chiliz)と提携し、ファントークンとして「BAR」を発行。先月には、サスティビリティなNFTを取り扱うPlastiksにて、2種類のNFTコレクションをリリースしている。
「Unleash Your Passion」と名付けられたこのコレクションでは3,000種類のNFTが発行され、1個あたり20ドル(約2,900円)〜30ドル(約4,300円)で販売された。
今回の資金調達を経て、バルセロナはWeb3.0戦略を一層推進していく姿勢を示している。
また今回、バルセロナはデジタルメディアとテクノロジーに重点を置くMountain&Co. I Acquisition Corpと提携したことも発表した。この提携に伴い、バルサ・ビジョンのデジタル部門及びオーディオビジュアルコンテンツ部門を「バルサ・メディア」に統合するという。
本取り組みは今後米国での資金調達と、コンテンツを世界に配信することを目的としている。バルサ・メディアがあらたな収入源になることで、クラブの推定価値が10億ドル(約1,450億円)に達するとの見方を示した。
参考:発表
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