米調査会社のフォーチュン・ビジネス・インサイト(Fortune Business Insights)は11日、世界のブロックチェーンゲーム市場規模が2023年の約1,545億ドル(約22兆5,000億円)から、2030年には約6,150億ドル(約89兆6,700億円)まで成長することが予測されるとのレポートを公表した。
ブロックチェーンゲームではNFTや暗号資産(仮想通貨)など、ブロックチェーンを活用した多数の要素が詰め込まれている。プレイヤーはゲームを通じてゲーム内資産を売買、取引することで収益を得ることができる。
レポートでは、ブロックチェーンが安全かつ透明なトランザクション、革新的ゲームプレイの仕組み、あらたなゲームプレイ方法を可能にしたとし、ゲーム業界に革命をもたらしたと強調している。
例として、レポートでは2017年にリリースされた「CryptoKitties」をあげている。CryptoKittiesはプレイヤーが育成したキティ(猫)を交配したり売却したりして資産を増やすことを可能にした。
こうしたブロックチェーンゲームは実経済に関するインセンティブを提供し、ゲームプレイヤーの収入源になりつつあると指摘する。また、多くの開発者はブロックチェーンゲームに導入されている要素をゲームに組み込むようになるなど、ゲーム業界に変化が訪れていることについても言及している。
また、各国の法執行機関等は現在、暗号資産規制に関する取り組みを強化している。業界等では規制により暗号資産領域の成長が遅れるとの指摘もあるが、ブロックチェーンゲームの発展が規制枠組みを進歩させる可能性があるレポートでは指摘する。
今後人気を集める可能性を秘めたカテゴリとしては、RPGをあげている。RPGにはキャラクター、武器、アクセサリ等の要素があるが、これらがNFTに適していると述べている。RPGにブロックチェーンを統合することで、ユーザーはアイテムやキャラクターをデジタル資産として保有できるだけでなく、オリジナリティなものとして生成することも可能になるなど、特別なゲーム体験を得ることができるとしている。
各国のWeb3.0市場の動向
なお、本レポートではWeb3.0市場を北米、南米、ヨーロッパ、中東とアフリカ、アジア太平洋の5つの主要地域に分類している。
フォーチュンによれば、北米はブロックチェーンゲーム市場で最大のシェアを誇っている。米国のブロックチェーンゲームプレイヤーの50%が暗号資産を所有しているとし、さらに80%がゲームでの取引に暗号資産を使用することに興味を持っているという。
また、米国のさまざまなゲーム会社がデジタルアートマーケットプレイスとして機能するゲームにブロックチェーンを統合していることも要因の1つだとした。
ヨーロッパについては、政府やハイテク企業が積極的な投資を行っていることで、今後顕著な成長が見込まれている地域だと指摘している。
さらに、アジア太平洋地域では、中国、日本、韓国に多数のゲームプレイヤー及び開発者が存在しているほか、大手ゲーム企業がWeb3.0領域に参入し、多額の投資が行われるなど活発な動きが見受けられる点をあげている。
中東と南米地域においては、ブロックチェーンゲーム市場の成長はWeb3.0開発、投資の強化により促進されていると言及。スマートフォンの普及に伴い、モバイルゲームのプレイヤーも増加していると指摘している。
参考:レポート
画像:Shutterstock
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