大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の創業者で元CEOのCZ(Changpeng Zhao)氏は4月30日、マネーロンダリングなど米国法に違反したとして有罪を認め、懲役4ヵ月の判決を受けた。
今回裁判所が下した判決は、検察が求刑した3年間の懲役よりもはるかに短く、連邦ガイドラインで推奨されている最長1年半という期間も下回った。それでも、検察側は「すばらしい1日だった。この事件では収監することが極めて重要であり、結果には満足している」とのコメントを残している。
裁判所は米国の法律を遵守することよりも、バイナンスの成長と収益性を優先させたとしてCZ氏を非難した。判事は「あらゆる規制を確実に遵守するための資金、人材力があったのに、その機会を逃した」と語った。
判決を受けたCZ氏は謝罪を重ね、「責任を取るための最初のステップは、間違いを完全に認識することであると信じている。ここで私は適切なマネーロンダリング対策プログラムの導入に失敗した。その間違いの重大さを認識している」と述べたようだ。
検察の求刑を下回る結果に
CZ氏は昨年11月、責任をとる形でバイナンスのCEOを辞任し、2017年に設立したバイナンスが銀行秘密法に基づくマネーロンダリングの条件を回避したことを認めていた。
バイナンスは昨年、43億2,000万ドル(約6,600億円)の罰金に同意し、CZ氏自身も刑事罰金として5,000万ドル(約76億円)を支払った。
CZ氏の担当弁護団の1人であるマーク・バートレット(Mark Bartlett)氏は、「(彼は)世界に変革をもたらしたかったが、間違いを犯してしまった」と述べた。当初、弁護側は検察が求刑した懲役3年は不適切であると主張し、執行猶予を含む減刑を求めていた。
また、バートレット氏は「CZ氏は47歳で初犯だ。彼の人生は3つの柱の上に築かれている。それは家族への献身、世界に前向きな変革をもたらす力としてのテクノロジーの開発、そしてより大きな善のために奉仕している」と続けた。
なお、今後CZ氏が控訴するのかはまだ決まっていない。
参考:報道
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