バイナンス・ジャパン(Binance Japan)は1日、国内向け暗号資産(仮想通貨)取引所サービスを開始すると発表した。
またあわせて、プラットフォームの稼働に伴い社名を株式会社サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)からBinance Japan株式会社へ変更したことも明らかにした。
今回の発表を受け、世界最大級の暗号資産取引所であるバイナンスが正式に日本上陸を果たしたことになる。
発表によると、バイナンスジャパンが取り扱う暗号資産は34種類にのぼる。なかには、国内未上場のBNBも含まれている。
これにより、31種類の銘柄を取り扱っていたビットトレード(BitTrade)を抜き、サービス開始時点で取り扱い銘柄数は国内最多となった。
バイナンスジャパンは発表で、今後も銘柄数のさらなる拡大を図ると述べている。また、将来的には先物取引を含むデリバティブ取引サービスについても提供することを目指すとした。
なお、バイナンスジャパンの取り扱い銘柄は下記の通りだ。
▶︎バイナンスジャパンより引用
また、提供するサービスとしては下記があげられる。
- 法定通貨(日本円)の入出金及び暗号資産の入出庫
- 暗号資産取引所(現物取引)
- 暗号資産販売書(コンバート)
- シンプル・アーン(暗号資産レンディング)
- 自動購入(オートインベスト)
- NFTマーケットプレイス
- API接続
なお、SEBC体制下で提供していたシンボル(XYM)・モナコイン(MONA)・フレア(FLR)・コスプレトークン(COT)については中止扱いになるという。さらに、日本円の出金については8月20日以降可能となるようだ。
すでにグローバルのバイナンス口座を保有しているユーザーについては、今月14日以降にバイナンスジャパンへの移行申込手続きが可能となる。発表によると、今年12月1日以降、新プラットフォームの利用開始が可能になるようだ。
バイナンスでは過去にも日本市場への進出を試みる動きがあった。一方、2018年及び2021年には、日本居住者に対してサービス提供を行っているとして、金融庁から警告を受けている。
その後、昨年11月にバイナンスCEOのCZ(Changpeng Zhao)氏が率いる関連企業のBinance(AP)Holdings Limitedを通じて、暗号資産交換業者のSEBCを買収。新経営体制へ移行し、サービス開始に向け準備を進めていた。
経営陣では、代表取締役に暗号資産取引所クラーケン(Kraken)の日本法人代表を務めた経験を持つ千野剛司氏が就任している。
先月25・26日に開催された国内最大級のWeb3.0カンファレンス「WebX」にビデオメッセージで登場したCZ氏は、バイナンスジャパンについて、8月から本格的にサービスを開始する旨を語っていた。またその際、今後日本において大規模なプロジェクトをリリースする予定であることも明かしている。
バイナンスが日本市場に本格進出したことで、国内暗号資産市場の勢力図は大きく変わる可能性がある。
参考:発表
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