大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ロシアユーザーへの制限を解除していたことがわかった。
24日、ロシアの暗号資産メディア・ForkLogが報じた。
ロシアがウクライナへ侵攻したことを受け、バイナンスは昨年3月からロシアで発行されたMastercardやVisaからの入金を制限していた。しかし、現在ではロシアルーブル、ユーロ、英ポンドなどの法定通貨を入金できるようになったという。
また、バイナンスは昨年4月に10,000ユーロ(約147万円)を超える暗号資産及び法定通貨を保有するロシアユーザーの入金や暗号資産の送受金を停止した。
これはEU(欧州連合)がロシアに対し行った追加制裁を受けて実施した措置だ。それでも、保有資産10,000ユーロ未満のユーザーは取引を行うことができたとの報告もある。
今回、バイナンスはこの制限に関しても撤廃した模様だ。
バイナンスの担当者はForkLogに対して「制裁規則に従い、EUに登録されているバイナンスの法人は、EEA(欧州経済領域)またはスイスの市民・居住者を除いて、ロシア国民にサービスを提供することを禁じている。クリミア、ウクライナ東部の親ロシア武装組織DPR/LPRの顧客もアクセスすることはできない」と述べたという。
またその際、「国際社会によってブラックリストに掲載されている人物、組織、団体、国にはサービスを提供しない」と付け加えた。
あくまでもバイナンスはロシアユーザー向けに各種サービスの提供を行っていないという立場を示した形だ。
ロシアの暗号資産メディア・BeInCryptoが調査したところによると、同国で決済サービスを展開するQIWIがバイナンスとロシアユーザーの間に入っているという。
そのため、ロシアルーブルの引き出しもQIWIを介して実行されているようだ。
参考:ForkLog、BeInCrypto
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