ブルームバーグのETFシニアアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は13日、ビットコイン現物ETFの取引量が13億ドル(約1,900億円)に達したと暫定データをX(旧Twitter)で公開した。
流入額ではブラックロック(BlackRock)のiShares Bitcoin Trust(IBIT)が2日間で5億ドル(約725億円)近くに達した。現時点でビットコイン現物ETFで首位に立っている。ブラックロックは手数料を0.2%に引き下げたことに加え、資産運用企業としての信頼性が他社を上回った形だ。
2位はフィデリティ(Fidelity)で4億2,200万ドル(約616億円)の流入があり、ビットワイズ(Bitwise)は2億3,700万ドル(約346億円)で3位につけた。
ブラックロックは取引初日に10億ドル(約1,460億円)を超える出来高を記録。これはETFとして史上2番目に大きな規模だ。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、暫定データはビットコイン現物ETFが快調なスタートを切ったことを示しているという。
一方で、グレースケール(Grayscale)のGrayscale Bitcoin Trust(GBTC)からは約6億ドル(約870億円)が流出した。GBTCは以前よりビットコイン投資信託として運営されていたものをETFに転換したものだが、手数料は1.5%に設定されている。
取引手数料の価格競争
ビットコイン現物ETFが取引開始された後も他社よりも低い手数料を設定し優位に立とうという動きが見受けられる。
12日に公開したデータで、バルチュナス氏はビットワイズ(Bitwise)が約2億3,800万ドル(約408億円)の流入で「コインタッキーダービー初日」の勝者になったと述べていた。
同社はビットコイン現物ETFの管理手数料を最初の6ヵ月間は0%に設定し、その後0.2%に引き上げるとしている。CEOのマット・ホーガン(Matt Hougan)氏は「BITBは非常に低い手数料とビットワイズの暗号資産専門知識を組み合わせている。それが市場で反響を呼んでいるようだ」と述べていた。
フランクリン(Franklin)は12日、手数料を0.29%から0.19%に引き下げ、最も安い手数料となったと発表していた。さらに資産運用額が100億ドルに達するまで手数料を免除するとしている。バルチュナス氏の投稿によれば、フランクリンの初日流入額は5,000万ドル(約73億円)強だった。
参考:バルチュナス氏X
画像:Shutterstock
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