ビットコイン(BTC)は15日未明、一時25,000ドル(約352万円)を下回った。25,000ドルを下回ったのは3月18日以来となる。記事執筆時点では引き続き25,000ドルでの攻防が続いており、先行きは不透明だ。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は14日に開催された会合で、昨年3月から続けてきた利上げを停止した。
一方で、2023年末の政策金利見通しの予想中央値が5.6%に修正され、年内に2回の追加利上げが行われる可能性も示唆されたことから、市場には動揺が走った。
NYダウ平均は232.79ドル(0.68%)安の33,979.33ドルで終えており、利上げの長期化が懸念された格好だ。ビットコインもこれに続く形で価格を落とし、暗号資産(仮想通貨)市場は全面安となっている。
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長はFOMC後の記者会見で、利上げ再開時期について明らかにしなかったものの、「会合参加者のほぼ全員が年末までに何回かの利上げが適切と考えている」と説明した。
その一方で、現状の景気動向等を踏まえ、インフレ低下に向けた条件は揃いつつあるとの認識を示し、大幅な利上げに踏み切る可能性については否定的な態度をみせた。
近頃、米主要指数などが上昇しているにも関わらず、暗号資産市場の値動きは停滞したままといった状況が続いている。背景には米SEC(証券取引委員会)による暗号資産関連事業者に対する締め付け強化があげられる。
バイナンス(Binance)、コインベース(Coinbase)といった大手取引所がSECによって相次いで提訴されたほか、主要銘柄を含む複数のアルトコインが有価証券としてみなされるなど、暗号資産業界では不安要素が続出し重荷となっている。これに伴って投資家心理が悪化し、暗号資産から撤退する動きが強まっているのも事実だ。
コインシェアーズ(Coinshares)の週間レポートによれば、暗号資産関連商品はこの1週間で8800万ドル(約124億円)売却され、8週連続で売り筋が上回った。この8週間での売却額は4億1,700万ドル(約590億円)に達するという。
業界動向及び利上げの長期化懸念が重なり、当面の間は投資家の動きがさらに鈍くなることも予想される。
参考:レポート
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