株式会社bitFlyer Holdingsは先月31日、代表取締役及び取締役の異動について、創業者の加納裕三氏が代表取締役CEOとして復帰する人事を発表した。
30日に開かれた株主総会において、取締役交代案が賛成多数で可決された形だ。代表に復帰するのは約4年ぶりとなる。また、同氏は株式会社 bitFlyer及び株式会社 bitFlyer Blockchainの代表も兼務する。
そのほか、これまでbitFlyer HoldingsとbitFlyerで社長室マネージャーを務めていた川村紹子氏があらたに取締役へ就任することとなった。
bitFlyer HoldingsとbitFlyerで代表取締役を務めていた関正明氏及び取締役の飯塚元氏は共に退任する。さらに、bitFlyerの創業者の1人である小宮山峰史氏もbitFlyer Blockchainの取締役を辞任し、今後はbitFlyer Holdings のCTO としてbitFlyer グループ全体のエンジニアリングを管掌する運びとなった。
加納氏は金融庁から暗号資産の不正流出の未然防止といった内部管理体制の不備を指摘されたことを受け、2019年に代表を辞任している。
bitFlyerでは加納氏の辞任以降、4度にわたり代表が交代するなど地盤固めで苦難が続く。昨年の株主総会においても、加納氏自らが代表復帰を求める株主提案を行ったものの、否決されていた。加納氏によれば、当時株主の過半数から自身の代表復帰について合意を得ていたという。
その後、創業者の加納氏を除く株主連合が海外投資ファンド・ACAグループと買収を巡り協議を進めていることが判明。創業者であり大株主でもある加納氏と経営陣における溝は一層深まるものとなった。
ACAグループは当時の代表である関氏ら経営陣の体制を維持することなどを条件に最大450億円程度で買収を目指したが、雪だるま式に買収額が膨らんだことにより撤退を余儀なくされている。
加納氏の代表復帰及び新体制への移行を受け、今後はbitFlyerの立て直しをスピード感を持って進められるかに焦点が当てられる。
また、加納氏は将来的な新規株式公開(IPO)も睨んでおり、経営改革を加速度的に進めていくものとみられる。
参考:プレスリリース
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