韓国の暗号資産取引所大手のビッサム(Bithumb)が、IPO(Initial Public Offering)を計画していると韓国の地元メディアが報じた。2025年後半のIPOを目指すという。
地元紙のイーデイリー(Edaily)は12日、ビッサムが韓国の証券取引所であるコスダック(KOSDAQ)への上場を目指していると報じた。
米ナスダックを見習い立ち上げられた新興市場コスダックへの上場を目指しているが、主要市場であるコスピ(KOSPI)市場への上場の可能性もある。
ビッサムの関係者のよれば、新規株式公開のマネージャーとしてサムスン証券を選択し、すでに2025年後半のIPOを目指して準備は進められているとみられ、これが実現すれば、韓国では初のIPOを行う暗号資産取引所となる。
2020年にもビッサムのIPOの噂が立ったが、およそ5年の歳月をかけてIPOに至ることになりそうだ。
ビッサムはIPOを通じて、コーポレート・ガバナンス、経営の透明性、内部統制システムの健全性を確保するための検証プロセスを経ることで、事業に対する市場からの信頼性を高めることを目指しているという。
IPOを必要としないビッサム(Bitthumb)の狙い
巷では資金枯渇に伴いIPOを検討しているという声もあったものの、関係者によれば、韓国の暗号資産取引所として初めて「規制の枠組み」に参加することは、市場の信頼性を獲得することにつながると強調したという。
事実ビッサムは、今年上半期時点で4,000億ウォン(約450億円)以上の金融商品資産を保有しており、これは同社がIPOを必要しない根拠になっている。
また、韓国の暗号資産取引所最大手のアップビット(Upbit)は現在、韓国の暗号資産市場で80%のシェアを占めているともいわれている。
ビッサムは同社の独占状態にある市場において、今回のIPOを通じたシェア拡大を目指しているという。
IPOを進めるにあたり、ビッサムとビッサム・ホールディングスの前会長イ・ジョンフン(Lee Jung-hoon)氏がビッサム・ホールディングスの取締役会に復帰。
一方で、ビッサムに暗号資産を上場する見返りとして、暗号資産企業から賄賂を受け取ったと告発されたイ・サンジュン(Lee Sang-jun)氏は、ビッサム・ホールディングスのCEOを辞任した。
これは、IPOに備えた法的リスクを最小限に抑えるための取り組みの一環であるという。
ビッサム・ホールディングスの新CEO、イ・ジェウォン(Lee Jae Won)氏はイ・ジョンフン氏の側近ともいわれており、ビッサムのIPOの成功に向けた取り組みの先頭に立ち、主導的な役割を果たすことが期待されている。
参考:The Korea Herald
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