資産運用会社ビットワイズ(Bitwise)の暗号資産アナリスト、ファン・レオン(Juan Leon)氏が、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の価格が今後高騰し、2024年中に10,000ドル(約148万円)以上に上昇する可能性があるとの考えを示した。
海外暗号資産メディア・コインデスク(Coindesk)のインタビューで語った。
レオン氏はイーサリアムの見通しとして楽観的な見方をみせている。「今年中に8,000ドル(約118万円)はもちろんのこと、10,000ドルをも超えさらに上昇する可能性がある」と示唆した。
レオン氏はイーサリアムの成長を促進する可能性がある2つの要因をあげた。
まず、今月13日に予定されている大型アップグレード「デンクン(Dencun)」により、レイヤー2ネットワークの手数料が削減される点を指摘。これによりイーサリアムブロックチェーンの活動がより活性化し、ユーザーの需要も高まると説明している。
さらに、SEC(米証券取引委員会)によるイーサリアム現物ETFの承認可否判断が5月に迫っていることをあげている。承認の可能性についてはビットコイン現物ETFほど明確ではないとしつつ、実現に向けた期待がイーサリアムの価格上昇につながるだろうとした。
この値動きは、ビットコイン現物ETFが承認されることへの期待感と共に価格が上昇した昨年と同様のものであると指摘している。
レオン氏はイーサリアム現物ETFの承認確率を「50~60%」と推定している。たとえ5月の承認が見送られたとしても、今年中には「遅かれ早かれ承認されるだろう」と自信をのぞかせた。
イーサリアム現物ETFが承認されることで、機関投資家の間でもイーサリアムへの関心が高まるものとみられる。そのため、ビットコイン現物ETFの取引が開始されて以降、大量の資金流入がみられた状況がイーサリアムにおいても起こる可能性がある。
ブローカー企業・バーンスタイン(Bernstein)がレポートで指摘したように、これらの要因でイーサリアムのデフレ供給、EigenLayer主導の再ステークの増加傾向、DeFi(分散型金融)活動の増加が前向きな見通しに貢献していると語った。
イーサリアム現物ETFの判断は再び延期
SECは今月4日、世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)が申請したイーサリアム現物ETFの承認可否を再び延期している。1月にはフィデリティ(Fidelity)のイーサリアム現物ETFについても延期しており、承認については不透明な状況が続く。
前向きなアナリストは5月中の承認を予想するが、その反面、整理すべき課題が多いという理由から現在すでに申請されているものについては1度否決される可能性があるとの声もある。
SECはイーサリアムに証券性があるか言及しておらず、これが現物ETFの承認を判断する大きな要因になるとみられている。
参考:コインデスク
画像:Shutterstock
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