世界最大手の資産運用企業ブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETFがSEC(米証券取引委員会)から承認を受けた場合、大手マーケットメイカー数社が流動性を確保するため協力する可能性があることがわかった。先月31日、米コインデスク(CoinDesk)が報じた。
報道によると、トレーディング大手のジェーン・ストリート(Jane Street)、バーチュ・ファイナンシャル(Virtu Financial)、ジャンプ・トレーディング(Jump Trading)、ハドソン・リバー・トレーディング(Hadson River Trading)などの大手企業が、マーケットメイキングのためにブラックロックと協議しているという。各社はコメントをしていない。
先月27日に海外暗号資産情報サイト・ベンジンガが報じたところによると、SECの暗号資産(仮想通貨)部門の元委員だったニール・マイトラ(Neel Maitra)氏は、「ビットコイン現物ETFが数ヵ月以内に承認され、、取引が開始される可能性が高いようだ」と述べた。
同氏によると、ビットコイン現物ETFの承認に有利な要因としては、ビットコイン先物ETF市場との強い相関関係にあるという。
SECの元委員長、ジェイ・クレイトン(Jay Clayton)氏も最近、CNBCのインタビューにおいて、ビットコイン現物ETFの承認に向け前向きな発言をしていた。
「これら(ビットコイン現物ETFの承認)が避けられないと私がいった理由は、ビットコイン現物ETFを巡る多くの疑問が、多くの洗練された関係者や規制当局が満足する答えを得たからだ」と述べていた。
ブラックロックがビットコイン現物ETFの承認を得るための活動が大きく注目されている。暗号資産市場もブラックロックの動向による波を受け、大きく動き出している。これに対する期待感から、ビットコイン価格は1年ぶりに35,000ドル(約530万円)を超えた。
ブラックロックはビットコイン現物ETFのティッカー「IBTC」を、世界の金融市場に拠点を置き、各国金融機関のトレード実施後から決済、清算までの業務を行うDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)のリストに載せた。これは明らかにSECが承認することが目前に迫っていることを示すものだ。
参考:米コインデスク、Benzinga
画像:Shutterstock