暗号資産(仮想通貨)レンディングサービスを手がけていたブロックファイ(BlockFi)は24日、同日をもって破産状態から脱却したことを発表した。
これにより、債務者への返済等を含む破産計画を正式に開始することが可能になった。具体的には、「回収」、「引き出し」、「請求」といった3つの計画を行えるようになったとしている。
回収では、昨年破綻したFTXや3AC(Three Arrows Capital)、そのほかの企業及びその破産財団が保有し、ブロックファイのものであると考えられる資産を取り戻すべく取り組む。ブロックファイは、回収がうまくいけば顧客に対する返済額が増加する可能性があると説明している。
また、引き出しではこれまで行ってきた顧客への返済を継続する。さらに、請求では顧客の請求が資産の種類や金額といった両面で正確に反映され、なおかつ公正で衡平に分配できるよう請求照合プロセスを継続すると述べている。
ブロックファイは顧客資産の返済時期について、通常のウォレットユーザーに関してはほぼすべてのユーザーが引き出すことが可能だとしている。
一方、BIA(ブロックファイ・インターレスト・アカウント)及びリテール・ローンで資産を保有していたユーザーについては、可能な限り迅速に返済を行うよう準備を行うと説明した。現時点で2024年初頭に最初の返済を開始することを目指しているとし、今後数ヵ月以内に最新情報を送るとしている。
なお、BIA及びリテール・ローンユーザーに関してはFTXや3AC等からの回収など、多くの要因に左右されるという。また、ブロックファイの「BlockFi Wallet」に資産を保有していたユーザーについては、現地時間2023年12月31日午後11時59分に出金ウィンドウを閉鎖するため、速やかに出金申請をするよう促している。
ブロックファイは昨年11月、FTXの破綻による影響を受け顧客資産の出金停止を発表。その後、チャプター11(米連邦破産法11条)の申請を行った。
申請書面によれば、ブロックファイには10万人以上の債権者がおり、10億ドル(約1,500億円)から100億ドル(約1兆5,000億円)の総資産と債務を抱えている。
参考:発表
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