米メガバンクのバンク・オブ・アメリカ(BofA)傘下のメリルリンチ(Merrill Lynch)とウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)が、富裕層の顧客に対してビットコイン現物ETFの提供を開始することがわかった。ブルームバーグが事情に詳しい関係者の話として報じた。
大手メガバンクによる提供開始はビットコイン現物ETFが一部の層に支持される投資商品ではなく、機関投資家向けの商品として米投資銀行や証券会社、一般投資家に受け入れつつあることを示している。
先月28日には投資銀行モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)が証券取引プラットフォームの顧客に対して、ビットコイン現物ETFを提供することを検討していると報じられた。モルガンは現在、ビットコイン現物ETFを自社プラットフォームに追加するためにデューデリジェンスを行っているという。モルガンの運用資産残高は現在1,500億ドル(約22兆円)を超えている。
BofAの関係者によると、ビットコイン現物ETFは顧客が数週間前から利用できるようになっていたという。
ウェルズ・ファーゴは声明で「ビットコイン現物ETFは、ウェルズ・ファーゴ・アドバイザーズのアドバイザーまたは当社のオンライン・ウェルズ・トレードのプラットフォームを通じて購入することができます」と述べた。
ビットコイン現物ETFは、投資家にビットコインを直接保有することなくエクスポージャーを提供する。SEC(米証券取引委員会)との10年にわたる争いを経て、米国で1月にビットコイン現物ETFの11銘柄が承認、取引が開始された。
さらなる価格上昇を予測する声
調査会社バーンスタインのアナリスト、ガウタム・チュガニ氏は26日、「ビットコインは前例のない期間投資家の導入に導かれ、18ヵ月で15万ドル(約2,260万円)に到達する道を進んでいる」と述べた。
ビットコインが今後5年間で50万ドル(約7,530万円)まで上昇する可能性があると予測する声もあれば、2025年までに17万ドル(約2,560万円)に達するとの予想もある。
28日にビットコインは2年ぶりに60,000ドル(約903万円)を突破した。背景にはビットコイン現物ETFへの巨額の資金流入があげられる。大手メガバンクと投資銀行の参入で流入額は今後さらに拡大する可能性がある。
対照的に、ミューチュアルファンドの最大手プロバイダーであるバンガードは証券会社の顧客がプラットフォーム上でビットコイン現物ETFを利用できるようにする計画は今のところないと述べた。
参考:報道
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