SFC(香港証券先物委員会)は15日、ビットコイン現物ETFとイーサリアム現物ETFの上場を承認した。アジア圏において暗号資産(仮想通貨)の現物ETFが承認されるのは初となる。
今回暗号資産現物ETFの承認を得たのは、中国本土で最大の資産運用会社である、チャイナ・アセット・マネジメント(China Asset Management)の香港子会社だ。チャイナ・アセット・マネジメントは、かねてより申請していたビットコイン現物ETF及びイーサリアム現物ETFの上場承認をSFCから得たと発表している。
2008年に設立されたチャイナ・アセット・マネジメント香港は、2023年12月31日時点で運用資産総額が2,660億ドル(約41兆円)を超えている。
チャイナ・アセット・マネジメント香港の声明によると、同社は主要パートナーであるOSL デジタルセキュリティーズ(OSL Digital Securities)及びカストディアンのBOCI-Prudential Trusteeと連携し、ビットコイン現物ETFとイーサリアム現物ETFを開発するという。
また、SFCはハーベスト・ファンド・マネジメント(Harvest Fund Management)とボセラ・アセット・マネジメント(Bosera Asset Management)の香港支社に対してもビットコイン現物ETFを条件付きで承認している。
SFCは手数料の支払い、書類の提出、香港証券取引所(HKEX)の上場承認などさまざまな条件をクリアすることで、ETFの申請が概ね要件を満たしている場合、条件付き認可書を発行すると述べていた。
ボセラ・アセット・マネジメントは声明で「暗号資産現物ETFの導入は、投資家にあらたな資産配分の機会を提供するだけでなく、国際金融センター及び暗号資産のハブとして香港の地位を強化することにつながる。香港の暗号資産現物ETFは、投資家がビットコインやイーサリアムを直接使用してETFを購入できる現物購入メカニズムが導入される」と述べた。
香港によるビットコイン現物ETFの承認は、米国においてビットコイン現物ETFが承認されてから約3ヵ月後のこととなる。中国本土では暗号資産そのものは禁止されているが、Web3.0領域に積極的な香港で関連商品を提供することで、投資家のニーズに答える狙いもある。また、香港が目指す「Web3.0のハブ」に拍車をかけるものとなりそうだ。
注目集めるイーサリアム現物ETFの承認
今回の承認で注目されているのはイーサリアム現物ETFの承認だ。現在、SEC(米証券取引委員会)ではイーサリアムを証券として取り扱うかについて議論が進められており、イーサリアム現物ETFの承認に向けた足かせとなっている。しかし、今回香港において承認されたことが今後の承認判断になんらかの影響を与える可能性も否定できない。
チャイナマネーの流入によるビットコインやイーサリアム等に対する価格上昇への期待感も今後高まるとみられ、動向次第では他国においてお追随する動きがみられる可能性がある。
参考:発表
画像:Shutterstock
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