ビットコイン(BTC)に4回目の半減期が訪れたことで、供給量における年換算のインフレ率がこれまでと比較して50%減少し、発行希少性の点でゴールド(金)を上回ったことが判明した。ブロックチェーン分析会社・グラスノード(Glassnode)のアナリストが報告した。
グラスノードはビットコインにおける4回目の半減期について、「ゴールドとの比較で重要な節目となった」と言及。さらに、「歴史上初めて、ビットコインの定常状態発行率(0.83%)がゴールド(約2.3%)よりも低くなり、歴史的な引き継ぎを示した。ビットコインは最も希少な資産となった」と述べた。
半減期により、ビットコインマイニングにおけるブロック報酬は6.25BTCから3.125BTCに減少した。これに伴い、1日あたりに発行されるビットコインの数量も約450BTCとなっている。
ビットコインのブロック報酬金は210,000ブロックごとに半減するため、インフレ率も約4年ごとに半減する。その結果、ビットコイン供給のあたらしい年率インフレ率は0.85%となり、前期の1.7%から低下したとグラスノードは指摘する。
また、ビットコインの半減期前後の価格パフォーマンスをみると、2015年、2018年と現在のサイクルの間には明らかな類似点があり、いずれも約200%~300%の上昇があったという。
この点はアーク・インベストメント(ARK Investment)のアナリストであるヤシン・エルマンジラ(Yassine Elmandjra)氏も指摘しており、「半減期以降、ビットコインの発行率はゴールドの長期供給量の伸びを下回っている」と指摘していた。
エルマンジラ氏は、ゴールドの年間発行率はグラスノードのレポートで引用されている数字よりも低いが、それでも「ブロック報酬による半減期後の年間ビットコイン供給量の伸びよりはかなり高い」と主張した。
グラスノードのアナリストらは半減期によるビットコイン価格への影響は減少しているとも指摘する。その上で、あらたに発行されるビットコインは取引や送金に使われるもののなかでもごくわずかに過ぎないとしている。
さらに、暗号資産(仮想通貨)の種類が多岐にわたっているほか、エコシステムの規模が拡大していることも関係し、半減期までのサイクルを通じてその影響力は年々減少していると述べた。
参考:レポート
画像:Shutterstock
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