データ分析企業カイコ(Kaiko)は、ビットコイン(BTC)が秋にかけて好調な勢いをみせたことで、2023年の「パフォーマンスが最も高い資産の1つ」になったと発表した。
理由としては、ビットコイン現物ETFの実現性が高まったことをあげている。
ビットコインの価格は2023年、160%以上上昇した。すべての主要な資産を上回るパフォーマンスをみせ今年を終えようとしていると説明している。
3つにわけられるビットコインの価格動向
カイコは今年のビットコインの価格動向が大きく3つの段階にわけられると述べる。具体的には、安値からの上昇となった初期、失速した年半ば、そしてあらたな強気相場の始まりともいえる年末にかけての上昇だ。
今年3月から10月まで、ビットコイン価格は25,000ドル(約352万円)から30,000ドル(約422万円)の間を推移。夏には市場の関心が低下し、出来高が数年ぶりの低水準に陥っていた。
その後、世界最大の資産運用企業であるブラックロック(BlackRock)がビットコイン現物ETFをSEC(米証券取引所)に申請し、市場に活気が戻った。同社がビットコイン現物ETFを申請したことにより実現性が高まり、期待感が示された格好といえる。
10月にはブラックロックのビットコイン現物ETFが承認されたとの誤報をきっかけとしてビットコイン価格は上昇。その後も高値を更新し、一時45,000ドル(約633万円)ほどまで上昇する場面もあった。
カイコによれば、この上昇が要因となりビットコインは主要資産のなかで今年最高のシャープレシオの1つを記録したという。AIブームで1月から5月にかけて株価が2倍上昇した半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)に次いで2位となった。
目立つソラナ(SOL)の上昇
また、今年はソラナ(SOL)の価格上昇が主要アルトコインのなかでも特に目立った。昨年、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが破綻すると、同取引所と元CEOのサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)氏が支援していたソラナの価格も急落。さらなる下落を警戒する声もあった。しかし、ソラナはPYTH、JTOなどのエアドロップを通じて再度注目を集め、価格が大幅に上昇することとなった。
取引所に目を移すと、暗号資産取引所バイナンス(Binance)は暗号資産取引量の多くを占めていたが、SECを始めとした規制当局との係争などがきっかけとなりシェアが低下。自社で展開していた取引手数料無料というキャンペーンが終了したことも大きな要因となった。
参考:レポート
画像:Shutterstock
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