S&P500オプションやVIX指数などを扱うシカゴオプション取引所(Cboe Global Markets=シーボー)傘下のシーボー・デジタル(Cboe Digital)はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物・先物取引を提供する計画を発表した。
シーボー・デジタルは2024年1月11日から、ビットコインとイーサリアムの現物と先物取引を提供する。これにより、シーボー・デジタルは米国で規制されている初の取引所機能と清算機関を併せ持つ暗号資産(仮想通貨)取引所になるという。現物取引とレバレッジを利用したデリバティブ取引の両方が可能な単一のプラットフォームになる。
シーボー・デジタルは暗号資産の現物と先物取引市場に信頼性、透明性、責任のあるイノベーションをもたらすことに尽力し、仲介者を含むモデルを提示した上で利益相反を回避するため職務の分離を確保しつつ、統合された取引所と清算機関を目指してきたという。
シーボー・デジタルは当初ビットコインとイーサリアムの先物取引を提供するが、その後、規制当局の承認を受けて、ほかの暗号資産についても対応していく予定であるという。
10社以上のマーケットメイカーが参入
証拠金を使う先物取引は、顧客が全額を担保とすることなく取引できるように設計されている。これにより、証拠金ベースでの先物取引と比較して資本効率が向上するとしている。
重要なことは、シーボ・デジタルの統合された現物、先物取引プラットフォームで顧客が両方の市場に簡単にアクセスできるようになり、資本の効率性と取引の効率性を高めることができることにあるという。シーボー・デジタルが計画している、先物のローンチは、B2C2、BlockFills、CQG、Marex、StoneX Financial、Talos、Wedbushなど暗号資産や金融機関大手によってサポートされる予定だ。
シーボー・デジタルのジョン・パーマー(John Palmer)CEOは「マージン先物サービスの開始は、シーボー・デジタルにとって重要なマイルストーンだ」とコメント。
「先物取引は伝統的な金融市場で価値あるヘッジ手段として長い間利用されてきた」と述べ、「私たちはデリバティブ取引が暗号資産市場に流動性をもたらし、ヘッジ手段としての機能を追加し、この市場の継続的な成長における次の重要なステップになると信じている」と続けた。
シーボー・デジタルが計画しているビットコインとイーサリアム先物取引の開始は、同社の暗号資産現物取引市場でビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、USDコイン(USDC)などの暗号資産取引サービスを補完するものとなる。
あたらしい先物取引に対する証拠金は、証拠金計算の複製に使用できる標準化されたポートフォリオリスク分析(SPAN)互換のリスクパラメーターファイルとともに、シーボー・デジタルの公式サイトで毎日公開されるとのことだ。
参考:発表
画像:Shutterstock
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