米ドルに裏付けられたステーブルコイン・USDコイン(USDC)を発行する米サークル(Circle)が、来年にもIPOを検討していることがわかったと8日、ブルームバーグが報じた。
関係者が明かしたところによると、IPO時期は来年早々を想定しているようだ。現在、サークルはアドバイザーらと検討を行っている一方、確実にIPOを進めるかどうかは不透明だという。
サークルは2021年にSPAC(特別買収目的会社)のコンコード・アクイジション・コーポレーション(Concord Acquisition Corp)と合併してIPOを行う計画を描いていたが、昨年末に解消している。
サークルは当時、計画を解消して背景について、SEC(米証券取引委員会)が「届出書を有効と認めなかった」とし、責任を追求していた。計画解消時点での企業評価額は90億ドル(約1兆3,700万円)であった。今後IPOの計画を進めるにあたり、どれほどの評価額となるかが焦点となる。
サークルのCEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏はブルームバーグに対し、噂についてはコメントしないとした上で、「米市場で株式公開企業になることは、サークルの長きにわたる戦略的願望の一部だ」と述べている。
サークルが発行するUSDコインはテザー(USDT)に次ぐ規模のステーブルコインであり、記事執筆時点での時価総額は約3兆6,800億円に及ぶ。投資家にはゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やブラックロック(BlackRock)らが名を連ねており、暗号資産(仮想通貨)業界屈指の企業として知られる。
話題となった暗号資産関連企業の株式上場
主たる事業が暗号資産に関連したもので、株式上場が大きな話題となった企業としては米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)があげられる。
2021年4月にナスダックで上場したコインベースは、暗号資産市場が好調に推移していたことや、それに伴う業績の良化により、期待感が株価にも反映された。
サークルの株式上場は暗号資産業界においてポジティブな影響をもたらす可能性も考えられ、今後の動向には注目が集まるものとみられる。
参考:ブルームバーグ
画像:Shutterstock
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