世界最大のデリバティブ取引所であるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が、ビットコイン(BTC)の現物取引開始を計画していることがわかった。16日、Financial Timesが報じた。ウォール街の資産管理者の間で需要が高まっている暗号資産(仮想通貨)セクターへのエクスポージャーを獲得することを目的としているという。
関係者によると、CMEは規制された市場で暗号資産の売買を希望するトレーダーらと協議を行っているという。
この計画はまだ最終決定には至っていないが、実現した場合には伝統的な金融市場の投資家から支持を受ける可能性もある。今年1月にSEC(米証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを承認したことに加えて、投資家にあらたな窓口を広げていくことになる。
なお、CMEはこの計画についてコメントを控えている。
すでにビットコイン先物取引を提供しているCMEがビットコインの現物取引を始めれば、投資家は現物価格と先物価格差を利用して利益を得るベーシス取引をより簡単に行うことができるようになる。
ベーシス取引は米国国債市場などで用いられる一般的な手法で、原資産を購入しながら先物を売るために資金を借り、両者間の小さなギャップから利益を得る。米国債のベーシス取引の大部分はCMEで行われている。
ビットコインは3月に73,000ドル(約1,140万円)を超えて以来、膠着状態が続くが、ビットコイン現物ETFは史上最も急成長しているETFとなっている。
ブレイスブリッジ・キャピタル(Bracebridge Capital)などのヘッジファンドやウィスコンシン州年金基金は、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、アーク(Ark)などの資産運用会社が提供しているビットコイン現物ETFの商品に100億ドル(約1兆5,500億円)以上の資産を流入させている。
ブラックロックCEOのラリー・フィンク(Lary Fink)氏は今年3月、ビットコインに対して「長期的に強気」との見方を示した。
参考:報道
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