米暗号資産(仮想通貨)取引所大手コインベース(Coinbase)は3日、カナダで制限付きライセンスを取得したことを発表した。コインベースによると、同社はカナダで制限付きディーラー登録を受けた初の国際暗号資産取引所になったという。
コインベースはカナダのCSA(カナダ証券管理局)より制限付きライセンスを取得した。カナダは昨年、特定の投資家が暗号資産に投資できる金額を制限する暗号資産取引所のあらたなガイドラインと、暗号資産企業への登録義務を導入している。
コインベースは、今回のライセンス取得が「暗号資産取引に関するカナダ規制当局の厳しい要件を満たし、国内で合法的に運営できることを意味する」と述べた。
あらたな規制の導入により、世界最大の暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)などがカナダから撤退するなか、コインベースは同国であらたな事業拡大を目指す。
なお、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は昨年、オンタリオ州証券取引委員会にPRU(事前登録協定)を申請。カナダで登録するための手続きを開始したと発表している。
コインベースは昨年3月にPRUを申請した。その後、同年8月に国内での事業開始を明らかにしている。
コインベースのカナダ担当ディレクターであるルーカス・マシソン(Lucas Matheson)氏はCNBCのインタビューに対して「私たちはカナダで3年近く取り組んでおり、具体的には過去12ヵ月間にわたってオンタリオ州証券委員会と協力してきた。規制当局と協力し、カナダ国民に提供する規制に準拠したプラットフォームの構築に取り組んできました」と述べている。
さらに、マシソン氏は「カナダの規制環境は米国に比べて暗号資産取引所に対して寛容である」と付け加えた。
米国での係争続く
コインベースやそのほかの暗号資産取引所などは現在、証券法違反を巡る訴訟でSEC(米証券取引委員会)と係争中にある。特にコインベースは先月、棄却申し立てが裁判所によって却下されるなど状況は芳しくない。
こうした状況を受け、コインベースは米国外での事業拡大に注力する姿勢をみせつつある。
マシソン氏は今回のライセンス取得にあわせて、「(カナダの)暗号資産市場の規模は大きい」と言及。その上で、「コインベースはカナダで登録された初の国際的かつ最大の暗号資産取引所になるだろう。当社は何百万人ものカナダ居住者がデジタル経済にアクセスできるよう支援していく」と述べた。
参考:発表
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