米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は9日、独自開発したレイヤー2ネットワーク「Base」のメインネットを一般公開したと発表した。
コインベースは今年2月にBaseのテストネットを立ち上げた。その後、先んじて開発者向けに先月メインネットを公開している。
Baseはイーサリアムのレイヤー2であり、高速かつゼロに近い安価なガス代(手数料)が特徴。発表によれば、Base上で作成されたdApps及びサービスプロパイダーはすでに100以上にのぼるという。
Baseは100万人の開発者と10億人のユーザーを暗号資産領域に導くというビジョンのもと開発された。また、世界中の経済的自由を高めるグローバルな分散型金融システムの構築を加速させることを目標に掲げている。
コインベースは声明で、「我々が掲げるビジョンが開発者、クリエイター、企業、一般ユーザーなど、すべての人々に利益をもたらすと信じている。私たちがBaseを開発してきたのは、オンチェーンには金融システムを進化させ、インターネットの未来を変える可能性があると信じているからだ」と述べた。
さらに、2000年代初頭のインターネット革命を引き合いに出し、「我々は現在、次の大規模な変革の間際に立っていると信じている。オンチェーンは所有権を人々の手に取り戻すことで世界的に経済的自由を高める次世代のインターネットだ」と続けた。
コインベースによれば、2億3,000万を超えるイーサリアムアドレスがあり、オンチェーンユーザーは増加している。また、イーサリアムのレイヤー2ネットワークによるトランザクションは、レイヤー1を上回っているとも付け加えた。
こうした傾向は開発者にも及んでいるとし、暗号資産特化のベンチャーキャピタルであるElectric Capitalによれば、オンチェーンでは2030年までに世界であらたに100万人のソフトウェアエンジニアの雇用を生み出すと予測している。
なお、コインベースはメインネットの公開を記念して「Onchain Summer」と題したイベントを開催する。イベント期間中、Base上で作成されたアートや音楽、ゲームなどを紹介していくという。
参考:発表
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