韓国デジタル資産取引所協議会(DAXA)が、韓国金融情報分析院(FIU)と協力し、暗号資産(仮想通貨)未登録事業者に対する情報提供受付業務を開始した。4日、韓国メディア・NEWS1が報じた。
DAXAは韓国の5大暗号資産取引所「ビッサム(Bithumb)」「アップビット(Upbit)」「コビット(Korbit)」「コインワン(Coinone)」「ゴーパックス(Gopax)」が加盟している。
情報提供の対象となる事業者は、特定金融情報法(特金法)第7条により申告をせず、韓国人を対象に未登録でありながら事業を行う韓国内外の暗号資産事業者としている。
DAXAが受け付ける情報は「事業者関連情報」「未登録営業行為の証拠資料」「未登録事業者の疑い」などだという。受け取った情報に基づき、それを検証してその結果をFIUに報告する。その後、FIUが未登録暗号資産事業者であるかを判断し、結果をDAXAに返答した上で該当事業者に通知するという。
DAXAの関係者は「該当事業者が未登録営業行為を継続する場合、FIUは捜査機関の通報など必要な措置をとる」と述べている。
苦戦強いられる韓国暗号資産取引所
近頃、ビットコイン(BTC)を始めとした暗号資産価格の上昇が顕著だが、韓国の暗号資産取引所は苦戦を強いられている。背景には、昨年発生した暗号資産取引所FTXの破綻、そして「テラ・ルナ事件」があるようだ。これらの事象が発生して以降、取引量の回復が鈍く、軒並み業績の低迷がみられている。
韓国5大取引所の1つであるアップビットにおける第3四半期の純利益は295億ウォン(約33億円)に留まり、前年同期比で81.6%減少。同期間の売上高は29%減の1,930億ウォン(約216億円)だった。
また、アップビットを除く4取引所の状況はさらに悪化しているようだ。たとえば、ビッサムは第3四半期の収益が325億ウォン(約37億円)で、前年同期比53.1%減少したと報告している。営業損失は106億ウォン(約12億円)だった。
こうした状況の裏では、未登録の暗号資産事業者が暗号資産を悪用した詐欺などの犯罪を繰り返しており、韓国において大きな問題となっている。DAXAはこれらの未登録事業者が暗号資産に対する不審を助長していると考えており、韓国における暗号資産業界のクリーン化に着手する。
参考:報道
画像:Shutterstock
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