ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が、自身の暗号資産(仮想通貨)ウォレットに25万ドル(約3,640万円)から50万ドル(約7,270万円)相当のイーサリアム(ETH)を保有していることがわかった。先日公開された財務記録で明らかになった。
公開された財務記録の81ページ・25.2番に、「Cryptocurrency Wallet(Ethereum)」と暗号資産ウォレットの記載があり、Value(価値)として「$250,001 to $500,000」と報告されている。
トランプ氏は昨年12月に複数の特典が付いた公式NFTコレクション「Trump Digital Trading Cards」を発売。スーパーピーローや宇宙飛行士など複数の格好に扮したこのNFTコレクションは1枚99ドルで購入することができた。また、今年4月にはコレクションの第2弾を発売し、数時間で完売している。
このNFTコレクションはクレジットカード及び暗号資産で決済が可能であった。そのため、保有するイーサリアムは利益の一部であることも考えられる。
トランプ氏はこれまで、暗号資産について懐疑的な姿勢を示すことが多かった。実際、過去にはビットコイン(BTC)の価値に疑問を呈す場面もみられた。
さらに、2021年には米FOX Businessのインタビューに対し、ビットコインについて「詐欺のようなものだ」と述べている。その際、トランプ氏は「ビットコインは米ドルの重要性を薄れさせてしまう可能性がある。米ドルこそが世界の基軸通貨であるべきだ」とも続けた。
米国では議員が暗号資産を保有している事例がたびたび見受けられている。
最近では、次回の米大統領選で民主党候補として立候補を目指すロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F Kennedy Jr)氏が、約25万ドル相当のビットコインを保有していることが明らかになっている。
同氏はカンファレンスでビットコイン等に関する権利を守ると主張するなど、民主党の議員としては比較的珍しく暗号資産に対して前向きな姿勢を示している。
また、同じく共和党の大統領候補者として立候補したマイアミ市のフランシス・スアレス(Francis Suarez)市長も暗号資産を支持する人物として知られている。
同氏は過去に給与をすべてビットコインで受け取る意向を示すなど、暗号資産の利活用について非常に前向きな立場をとっている。
参考:財務記録
画像:Shutterstock