昨年Twitterを買収したイーロン・マスク(Elon Musk)氏は11日、運営会社であるX社の後任CEOが決定したと発表した。
マスク氏は新CEOの名前など詳細については明らかにしていないものの、「彼女は約6週間以内に仕事を始める」と述べた。あらたなCEOが女性であることが示唆された形だ。
マスク氏自身は、エグゼクティブチェア(会長)と最高技術責任者(CTO)に就任するという。今後も同氏はTwitterの製品やソフトウェア等を監督していく。
マスク氏は昨年12月、自身がTwitterのCEOを続けるべきかアンケートを実施した。その結果、58%がトップの座を放棄すべきだと回答している。
アンケートの結果を踏まえ、マスク氏は「この職を引き受けるほどの愚かな人物をみつけ次第、私は辞任する」と表明した。
マスク氏がこうした動きに乗り出した背景の1つには、米テスラの株価低迷があげられる。そのほか、スペースX社のCEOなども兼任していることから、既存株主から負担を懸念する声が強まっていた。
なお、ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、X社のあらたなCEOにはリンダ・ヤッカリーノ(Linda Yaccarino)氏が就任する見込みだと報じた。
同氏は広告会社・NBCユニバーサル(NBCUniversal)のグローバル広告・パートナーシップ担当のトップだ。
NBCユニバーサルの公式サイトでは、ヤッカリーノ氏について「どんな番組でも、どんなスクリーンでも、その裏側では経済とテクノロジーのインフラ全体が動いている。ヤッカリーノほどその形成に大きな役割を果たした人物はいない」と紹介している。近年は電子商取引を通じてあらたなキャッシュフローを生み出すプロジェクトの先頭に立ってきたという。
マスク氏とヤッカリーノ氏は今年4月、マイアミでのカンファレンスで基調講演に登壇した。その後、TwitterとNBCユニバーサルは2024年に開催されるパリオリンピックに向けた大規模な広告協定を締結したと発表している。
マスク氏はTwitterの「スーパーアプリ化構想」を掲げており、将来的には暗号資産(仮想通貨)決済への対応も視野に入れている。
先月にはTwitterの象徴ともいえる「青い鳥」のアイコンをドージコイン(DOGE)の「柴犬」に一時変更し話題となった。
参考:マスク氏Twitter、ウォール・ストリート・ジャーナル
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