エルサルバドルの暗号資産テクノロジー企業のVolcano EnergyとLuxor Technology Corporationは5日、エルサルバドル初の地域エネルギーである火山熱を活用したビットコインマイニングプール「Lava(溶岩) Pool」を正式発表した。
Volcano Energyは、マイニングで得た利益の23%をエルサルバドル政府に拠出する契約だ。エルサルバドル初の暗号資産領域での官民パートナーシップとなる。今後は溶岩熱を利用して独占的にビットコインをマイニングしていく。
Volcano EnergyのCSO(最高戦略責任者)であるガーソン・マルティネス(Gerson Martinez)氏は、Lava Poolはエルサルバドルがビットコイン(BTC)のエコシステムにおいて先行者利益の1例になるとした上で、我々のビジョンはエルサルバドルの国民にとっての価値が増大するビットコインマイニングとエネルギーとの垂直統合型の会社を設立することだと述べた。
今後はLuxorのハッシュレート・フォワード・マーケットプレイスを利用する。同システムはLava Poolをボラティリティから守るという。さらにビットコインマイニング市場ですでに採用されているヘッジ戦略をVolcano Energyに適用させる。
LuxorのCOO(最高執行責任者)のイーサン・ベラ(Ethan Vera)氏は、エルサルバドルのマイニングプールインフラ開発はビットコインマイニングの地理的分散化に貢献するとし、「エルサルバドルとラテンアメリカでのミッションをサポートできることを嬉しく思う」と述べた。
今回のパートナーシップはビットコインをエネルギーインフラに統合するエルサルバドルの継続的な取り組みを推進することを目的としているという。
ビットコインのマイナーは再生可能エネルギー資源が豊富な遠隔地においてプロジェクトに即時収益をもたらすことを可能にする。そのため新エネルギープロジェクトで重要な役割を果たすことができる。また負荷管理機能を提供してサポートすることも可能だという。
エルサルバドルはビットコインマイニングから得た利益をエネルギー送配電インフラの強化に再投資し、国のエネルギーシステムを強化する。この多面的なアプローチはエネルギー安全保障を促進し、経済的成長、技術の進歩、持続可能な未来の基盤を築いていく。
エルサルバドルはビットコインマイニングと火山熱という、再生可能エネルギーを活用した世界でも類をみない国となるだろう。
参考:発表
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