イーサリアム(ETH)の大型アップデート「デンクン(Dencun)」が、日本時間13日22時55分頃、「エポック269568」の開始時にメインネット上で有効になった。
スケーラビリティを重視したアップグレードであるデンクンでは、兼ねてよりプロトダンクシャーディング(Proto-danksharding)の導入に注目が集まっていた。今回のアップグレードにより、レイヤー2ネットワークにおけるトランザクション手数料が大幅に削減する。
すでにその効果はあらわれつつあり、イーサリアムのレイヤー2であるスタークネット(STRK)では手数料が従来と比べ99%減となったようだ。ほかのレイヤー2においても大幅ば手数料減が見込まれており、今後これらのネットワークの需要が一層高まる可能性がある。
デンクンとは
今回のデンクンは昨年4月に行われた「シャペラ(Shapella)」以来の大型アップグレードとして位置付けられていた。実行層である「カンクン(Cancun)」と、コンセンサス層の「デネブ(Deneb)」をあわせた一連のアップグレードとなる。
手数料の大幅な削減は「ブロブ(BLOB)」と呼ばれるメカニズムを導入し、一時的なデータ保持を可能とすることで可能にする。従来は、ロールアップ時にトランザクション履歴などの情報を呼び出し保存する必要があったが、これを一時的な保存で済ませることができるため、ストレージへの負担を軽減させることができる。これにより、スケーラビリティの向上にもつながるとされている。
なお、デンクン実装後にイーサリアム価格は事実売りに伴い一時4,000ドル(約59万円)を割り込んだが、その後反騰。記事執筆時点では3,970ドル(約58万7,000円)と、横ばいで推移している。
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