ブロックチェーン分析会社アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のデータによると、ドイツ政府の連邦刑事警察庁は8日、1,450億円相当にあたる16,000以上のビットコイン(BTC)を暗号資産取引所とマーケットメーカーに送金、即座に売却したことが分かった。
アーカムは、BTCの8日のビットコインの売却については過去最大規模となったことを指摘した。アーカムはXの公式アカウントで「ドイツ政府はさらに5,200BTCをKraken、Bitstamp、Coinbase、139Poに送金しました。これによりドイツ政府にとって今日がこれまでで最大の日となり、合計16,000BTCを超えました」と述べた。
ドイツ政府のウォレットは、8日早朝に2,700以上を送金した後、すぐに13,200BTC以上を売却した。ビットコインは反応を示し、917万円から900万円へと下落した。この値は2月の水準に相当する。
CoinGeckoのデータによると、現在流通しているビットコインは約1,970万枚で、その価値は約177兆円。時価総額では過去24時間で27兆円以上減少となった。
ドイツ政府はBKA保有のウォレットからビットコインの売却を始めた。アーカムのデータによると、BKAは6月に、現在は閉鎖された映画の著作権侵害ウェブサイトから押収したビットコイン900BTCを売却した。先週には、政府は3,000BTCを売却。そしてその後BKAが2,739BTCを売却した。
ドイツは3,200億円のビットコインを保有
2024年1月、ドイツ東部のザクセン州の警察は約5万枚のビットコインを押収したこと発表した。ザクセン州警察は、この押収したビットコインについて「どいつ連邦共和国の法執行機関による史上最も大規模なビットコインの押収」と述べた。
このビットコインは、2013年に活動していた映画の海賊版サイト「Movie2k.to」の運営者から押収され、BKAが保有するウォレットに移動された。
ドイツ政府のビットコインウォレットの動きを追跡しているアーカムによると、トークンは最初に押収された2013年から動き始めていたという。
現在、BKAは依然として約32,488BTCを保有している。現在の価格では、政府の保有額は3,000億円以上。
ドイツ政府の売却に反対意見も
ドイツが保有するビットコインを売却するという決定には反対意見もある。ドイツ連邦議会議員のヨアナ・コタール(Joana Cotar)氏は先月、Xへの投稿で、政府はビットコインを単純に売却するのではなく、「戦略的準備通貨として保有すべきだ」と主張した。
コタール氏は、ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相、クリスティアン・リンドナー(Christian Lindner)財務大臣、ザクセン州首相のミハエル・クレッチマー(Michael Kretschmer)氏に書簡を送り、ビットコインの売却は「賢明でないだけでなく、逆効果だ」と伝えたと主張した。
コタール氏は、10月17日にベルリンのパウル・ローベ・ハウスで開催されるビットコインの著名なインフルエンサー、サムソン・モウ(Samson Mow)氏による講演にドイツ当局者を招待したと述べた。
参考:アーカム・インテリジェンス、アーカムX
画像:Shutterstock
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