グレースケール(Grayscale)のCEOのマイケル・ソネンシャイン(Michael Sonnenshein)氏は、CNBCのインタビューで承認されたビットコイン現物ETFについて言及し、「そのほとんどは生き残れないだろう」と持論を語った。
ビットコイン現物ETFは承認されてから順調に取引が行われているいる。世界最大の資産運用企業ブラックロック(BlackRock)が提供するIBIT(iShares Bitcoin Trust)の運用残高はすでに40億ドル(約5,900億円)以上にのぼるとみられている。
しかし、ビットコイン(BTC)価格は軟調に推移しており、23日には40,000ドル(約590万円)を割った。原因の1つとしては、グレースケールのビットコイン現物ETFであるGBTC(Grayscale Bitcoin Trust)が売られていることがあげられる。
なお、GBTCの売り圧については2022年に破綻した暗号資産取引所FTXの破産財団による売却が原因であることがすでにわかっている。
手数料競争は「商品に実績がないため発生」
ソネンシャイン氏はインタビューのなかで、「グレースケールは暗号資産のスペシャリストだ。そしてこれらの多くの商品は暗号資産を普及するための道を実際に切り開いてきた」と述べた。
ソネンシャイン氏はほかのETFの手数料が低い理由について、商品に「実績がないため」と指摘する。発行体が手数料優遇策を取り、投資家を引き寄せようと躍起になっているためであると語った。
さらに「私たちの立場からみると、この資産クラスに対する彼らの長期的な取り組みに疑問が生じる。11のビットコイン現物ETFのうち、2~3個はクリティカル・マス(存在を無視できないグループになるための分岐点を超えたグループ)を獲得する可能性があるが、それ以外は市場から引き上げられる可能性がある。11のビットコイン現物ETFがすべて同じ立ち位置にあるとは思えない」と述べている。
参考:インタビュー
画像:Shutterstock
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