北國銀行は2日、石川県珠洲市でデジタル地域通貨サービス「トチツーカ」の提供を開始したことを発表した。プロジェクトには、興能信用金庫、ブロックチェーン開発を手がけるDigital Platformerが協業した。
この取り組みでは珠洲市が主体となり発行するポイント「珠洲トチポ」の提供を行う。
トチツーカのアプリでは、自治体が発行するポイントの「トチポ」と、北國銀行が年内に発行するステーブルコイン「トチカ」の2種類の地域通貨を利用できるサービスを目指している。
まず2日よりトチツーカを利用して珠洲市が発行するトチポ「珠洲トチポ」のサービスを開始する。珠洲市では「珠洲市自然共生ポイント制度」を通じてボランティア活動などに対してポイントを付与する取り組みを行なっていたが、今後は珠洲トチポを受け取ることが可能だ。1珠洲トチポは1円換算で取引される。
珠洲トチポは「健康ポイント」、「自然共生ポイント」等として市より付与されている。健康ポイントは健康運動教室への参加や、1日の歩数などに応じて2~30ポイント付与される。自然共生ポイントは、植林などの森林保全活動や海岸清掃などで100ポイントを付与されるという。
北國銀行や珠洲市は最先端のキャッシュレス地域を目指し、今年4月にプロジェクトの開始を発表した。珠洲市のポイントと北國銀行が発行を予定するステーブルコインを、専用のアプリ「トチツーカ」で市内の加盟店で利用できる。アプリとマイナンバーカードを連動させることで、利用者の本人確認を実施。セキュリティの高い取引実現を目指しているとのことだ。
年内にも発行されるステーブルコインで決済した場合は、店舗側の決済手数料は国際的にも最低水準の0.5%を実現する。たとえば、現行のキャッシュレス決済では店舗側には約3%の決済手数料が発生するためビジネスにおいて大きな障壁となっており、キャッシュレス化の参入障壁になっている。
決済手数料を最低水準に抑えることで、キャッシュレスを導入する店舗の拡大化を目指している。北國銀行の担当者は「珠洲市での取り組みを2024年度春にはほかの市町まで広げていきたい」と述べた。
今冬にも導入が予定されるステーブルコインのトチカはユーザーが直接チャージする形式となる。トチツーカに採用されているブロックチェーンはイーサリアムをベースとしたプライベートチェーンとのことだ。
参考:発表
画像:ホームページより引用