香港においてビットコイン現物ETFを承認する準備が整ったことが明らかになった。これにより、アジアにおいて初めてビットコイン現物ETFが提供されることになる。11日、ロイターが報じた。
関係者によると、SFC(香港証券先物委員会)は承認プロセスを加速しており、来週には最初の承認が発表される可能性が高いようだ。早ければ今月中にもビットコイン現物ETFを上場させるという。
香港を拠点とする暗号資産(仮想通貨)運用会社メタルファ(Metalpha)のCEOであるエイドリアン・ワン(Adrian Wang)氏は「香港でビットコイン現物ETFを立ち上げる重要性は、あらたな投資を呼び込むだけでなく、暗号資産の採用をあらたな高みに押し上げる可能性があり、影響は広範囲に及ぶだろう」と述べた。
BItMEX Researchのデータによると、米国で取引されているビットコイン現物ETFの資産純流入額は約120億ドル(約1兆8,300億円)を超えた。現物ETFはビットコイン(BTC)価格にも影響を与えており、3月には過去最高値となる73,800ドル(約1,130万円)を記録。記事執筆時点でも70,000ドル(約1,070万円)ほどで推移している。
2人の関係筋によると、チャイナ・アセット・マネジメント(China Asset Management)、ハーベスト・ファンド・マネジメント(Harvest Fund Management)、ボセラ・アセット・マネジメント(Bosera Asset Management)の香港支社などが、ビットコイン現物ETFを申請しているという。
SFCはロイターに対してコメントを控えたが、ビットコイン現物ETFを申請しているチャイナ・アセット・マネジメントとハーベスト・ファンド・マネジメントの香港支社に対して、暗号資産に10%以上投資するポートフォリオを管理するライセンスを付与している。
チャイナ・アセットとハーベスト・ファンドの親会社は中国最大手の投資信託会社で、それぞれの運用資産は1兆元(約21兆円)を超える。
Web3.0のハブ目指す動き前進
中国本土では厳しい取り締まりもあり、暗号資産取引が禁止されているが、中国のオフショア金融機関は香港での暗号資産への投資に興味を抱いている。
香港は2022年末に初の暗号資産先物ETFを承認した。最大のETFであるCSOPビットコイン先物ETFは、昨年9月以降、運用資産が7倍になり、約1億2,000万ドル(約185億円)の価値を有することとなった。
香港はWeb3.0領域に注力していく姿勢を示しており、ビットコイン現物ETFが承認されることで機運がさらに高まる可能性がある。また、承認されたビットコイン現物ETFには多額の資金流入も見込まれており、ビットコイン及び暗号資産市場にも影響が波及することも考えられる。
参考:ロイター
画像:Shutterstock
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