JCBA(一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会)は17日、JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)に暗号資産(仮想通貨)証拠金取引にかかるレバレッジ倍率の改正要望を提出した。
これにより倍率を個別銘柄ごとに過去のボラティリティに基づき算出する形式に改正する。倍率は現在一律2倍だが、実質的に高くなる見通しだ。
暗号資産のユースケースは、NFTなどのデジタルコンテンツの決済手段やコミュニティの会員権などのほか、インセンティブメカニズムを通じたあたらしい経済圏の創出など徐々に拡大している。
トークン化された非金融資産の市場規模は2030年までに4.8兆円に拡大すると予測されており、暗号資産による決済は今後ますます増えていくとみられている。
保有に際し価格変動に対するリスクヘッジのニーズが高まる一方で、日本では2020年5月に改正金融商品取引法(改正金商法)が施行され、暗号資産取引のレバレッジ倍率が一律2倍に制限された。
それまでは日本の暗号資産市場において、ビットコイン(BTC)の対円取引量は世界の50%を占めていたが、改正金商法の施行で4月には1~3%にまで減少している。
今回の要望書はJCBAの金融部会が中心となり作成した。JCBAは低いレバレッジ倍率は日本の暗号資産市場の流動性を図る上で大きな支障となっているとして、レバレッジ倍率の改正はWeb3.0社会の実現には欠かせない重要な環境整備の一環となるとしている。
また上記の背景を踏まえ、JCBAでは暗号資産のユースケース拡大や改正金商法施行以降の市場の反応、ほかの金融商品との比較などから調査研究を行うことで適正なレバレッジ倍率を導出する。
JVCEAでは現在、6銘柄について算出しているが、今後は算出対象銘柄を拡大するように変更するとしている。
現行のレバレッジ規制に対しては、ほかの金融商品と比べ暗号資産の2倍という倍率はあまりにも低く、過剰な保護規制だという声もあがっていた。
参考:発表
画像:発表より引用