ロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr)氏は9日、来年行われる米大統領選挙に出馬することを正式に表明した。
ケネディ氏はジョン・F・ケネディ元大統領の甥で、著名な環境弁護士だ。また、熱烈なビットコイン支持派としても知られる。民主党の予備選挙の世論調査では現職のバイデン大統領に迫っていたが指名獲得から撤退し、独立候補者として大統領選挙に出馬する。
ケネディ氏はフィラデルフィアの演説で「私は大統領の独立候補者であることを宣言するためにここに来た」と述べた。
ケネディ氏の発表は、2024年の大統領選に関する同氏の動向について数週間に渡る憶測が飛び交った後に行われた。先週、ケネディ氏の大統領選挙キャンペーンを支援するスーパーPAC(政治活動委員会)「アメリカン・バリューズ2024」は、バイデン氏とドナルド・トランプ前大統領の間で仮想の三つ巴の選挙になった場合、世間がどう判断するかについて世論調査を実施。19%という支持率を獲得したと発表した。
ケネディ陣営は10月後半にもテキサス、フロリダ、ジョージアで一連の選挙イベントを主催する予定だという。
ケネディ氏はビットコインの熱烈なファンとしても有名だ。7月の演説では、「ビットコインと米ドルを交換した際のキャピタルゲイン税を免除したい」と言及。また、米ドルや米国債などの価値を金、銀、プラチナ、ビットコインなどといった有限資産で裏付けることも打ち出している。
こうした施策を表明した際には、「米国を暗号資産(仮想通貨)、特にビットコインの世界的ハブにすることが政権の使命である」とも述べた。
ケネディ氏は、家族信託の貸借対照表に10万ドル(約1,490万円)から25万ドル(約3,700万円)の暗号資産を保有していると記している。
ケネディ氏がビットコインに投じた資金は同氏が保有する不動産や現金、そのほかの資産と比べると微々たるものだ。しかし、マイアミで行われたカンファレンス「ビットコイン2023」で、「私はビットコインの投資家ではないし、投資アドバイスをするために壇上にあがったのではない」と述べ、純粋なファンとして暗号資産を支援していることを明らかにした。
党に所属しない独立系候補者はこれまで大統領選挙で大きな支持を得ることはほとんどなかった。1992年、テキサス州の実業家ロス・ペロー氏は近年で最も成功した独立系大統領候補となったが、本選挙では8%の得票率で終わり、最終的にビル・クリントン氏が圧勝した。
ケネディ氏はこれまでの独立系候補者による失敗について認めつつも、「私についてはチャンスであり、楽観的である」と述べた。さらに、「私達は米国政治にあらたなページを開く。この国にはこれまで無所属の候補者がいたが今回は違う。今回は独立系が勝つからだ」と強気な姿勢をみせている。
参考:発表
画像:Shutterstock