FSC(韓国金融サービス委員会)は10日、NFTに関するあらたなガイドラインを発表した。韓国の聯合ニュースが報じた。暗号資産(仮想通貨)利用者保護法が7月に施行される前に、NFTに関する定義を再度示した格好だ。
FSCは「暗号資産利用者保護法が施行されることを踏まえ、NFTが暗号資産かどうかを判断するための明確な基準を提供し、法律の予測可能性を高め、適用を容易にするために、これらのガイドラインを作成した」と述べた。
新ガイドラインでは、動画や画像などの「コンテンツ収集」目的に特化したNFTについては暗号資産に該当しないと定義している。このほか、経済的価値や用途が限定されているNFTも暗号資産とはみなされない。
一方、大量に発行されるNFTや、分割可能なNFT、さらに直接的または間接的な支払い手段として使用されるNFTは、暗号資産に分類されるようだ。
このように、FSCは発行・流通構造やサービス内容など、さまざまな要素を考慮してNFTの性質を判断するとしている。
また、FSCは主要国らに対し、NFTの法的性質についてその形式や技術ではなく実質に基づいて判断すべきと主張した。
たとえば、SEC(米証券取引委員会)は一部のNFTを証券として判断し、証券規制を適用している。また、日本は2021年にJCBA(日本暗号資産ビジネス協会)を通じてNFTガイドラインを発行しており、さらには金融庁も暗号資産に該当するパターンについて説明している。
さらに、ドイツでは譲渡可能な状態である場合には証券、支払いや投資目的として使用される場合は暗号資産など、その性質に応じて判断している。
FSCの金融革新企画部長であるチョン・ヨソプ(Jeon Yo Seop)氏は「たとえばNFTを100万個発行した際には、取引が増え支払いの用途として使われる可能性がある」と指摘。また、「NFTを大量に発行した場合には、当初の収集目的など一般的な目的とは異なる可能性がある」と述べた。
ただし、FSCはNFTの振興と過度なアプローチによる業界縮小を防ぐ狙いで、NFTの発行枚数など具体的な規制は設けない姿勢を強調している。
さらに、企業が各規制について対応できるよう、関連タスクフォースを立ち上げサポート体制を整える。FSCはNFT関連ビジネスを行う際には事前に関連法に準拠しているか法的性質を確認するよう推奨している。
暗号資産利用者保護法とは
今年7月に施行される予定の暗号資産利用者保護法は、暗号資産市場の秩序を確立を念頭に、市場操作や、違法取引、暗号資産に関する未公開の重要情報の使用に関する具体的な刑事罰及び罰金について定めたものだ。
刑事罰の場合、1年以上の懲役または不当利益の3倍~5倍に相当する罰金が科される。また、不法利益の額が50億ウォン(約5億7,000万円)を超える場合には、最高で無期懲役になる可能性がある。
参考:報道
画像:発表より引用
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