韓国の金融規制当局にあたるFSS(韓国金融監督院)が、暗号資産(仮想通貨)取引所の暗号資産上場におけるあらたなガイドラインを発表することがわかった。地元メディア「News1」が報じた。最新のガイドラインでは事件の要因について十分な説明がない場合、ハッキングされた暗号資産の上場、または再上場を禁止する。
さらに、このガイドラインでは海外の暗号資産発行者に対して、特に韓国市場向けのホワイトペーパーと技術マニュアルをリリースすることを義務付けている。これは海外の暗号資産プロジェクトと国内プロジェクト間の情報の差異を解決することが目的だ。
FSSは昨年下半期からデジタル資産取引所協議体(DAXA)など取引所の意見を受け、上場ガイドラインを設定してきた。以前にも上場審査ガイドラインは存在していたが、7月に暗号資産利用者保護法の施行を控え、当局が用意した基準も設定する必要があると判断した。
これは暗号資産利用者保護法の制定当時に、暗号資産業界からの意見において、必須事項として加えられていたという。業界からは、暗号資産取引所共通の上場基準が設定されるべきだという内容だった。今回、当局は現在のガイドラインを踏まえ、業界の意見を取り入れた形だ。
ガイドラインには、ハッキングやセキュリティ事故履歴がある暗号資産のうち、事故の原因が明確に説明されていなかったり、被害回復ができていない場合、上場と再上場ができないという内容が組み入れられた。
昨年末から韓国内の暗号資産プロジェクトを中心としてハッキング事故が相次いで起こっている。そのほとんどのプロジェクトはハッキング原因についてすべてを把握できておらず、上場廃止の対応がとられているようだ。
今後、このようにハッキング被害に遭い、事故の原因を明確に把握することができなかったり、解決ができていない場合は再上場も不可能となる。
一方、海外の暗号資産取引所で2年以上取引された暗号資産の場合、上場ガイドラインの一部基準を免除できるという例外規定も組み入れられた。
各国の規制にあわせてライセンスを取得した取引所が「海外暗号資産事業者」に該当し、海外暗号資産事業者が2年以上取引した場合のみ、一部基準を考慮することなく国内上場が可能になるという。
参考:報道
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