秋田犬を活用した地方創生等に取り組むMeta Akitaは19日、世界初となるDID/VC(分散型ID/検証可能なデジタル証明書)を用いたデジタル血統書を発表した。
来月1日より公益社団法人秋田犬保存会にて導入が予定されている。Meta Akitaによれば、DID/VC技術を用いたデジタル血統書の導入は世界初の事例になるという。
デジタル血統書の導入により、これまで紙でしか発行されてこなかったことに伴う課題解決を狙う。
DID/VCとは、「Decentralized Identifier(DID/分散型ID)」と「Verifiable Credential(VC/検証可能なデジタル証明書)」を組み合わせたもので、ブロックチェーンを活用した認証・照明手段だ。昨年10月には、NTTデータや三菱UFJ信託銀行などがDID/VCを活用したビジネス共創に取り組む「DID/VC 共創コンソーシアム」の設立を発表するなど、注目が集まりつつある。
今回発表したデジタル血統書はMeta Akita及び米エアルーム(Heirloom)社と共同企画・開発されたものとなる。この取り組みを通じて、Meta Akitaとエアルームは戦略的パートナーシップを締結したと明らかにしている。
デジタル血統書では、スマートフォンでも使えるサービスとして管理アプリを提供する。
これまで、紙で発行された血統書では海外を中心に偽造事例が増加傾向にあったことや、申請者が血統書を受領するまで多くの時間を要し、さらには海外郵送時等で紛失するリスクを有していた。ブロックチェーンを活用しデジタル化することにより、偽造及び改ざんを防ぐほか、血統書の受領スピードを大幅に改善させるなど、利便性向上を図る。
利用の流れは下記の通りだ。
- ユーザーが血統書の新規申請・情報更新時に本サービスの利用を申請
- 秋田犬保存会/メタ秋田がデジタル血統書を発行
- ユーザーがアプリをダウンロードし、アプリ上でデジタル血統書を受領
- デジタル血統書保有者の「生体認証」を介してデジタル血統書を第三者に提示可能
▶︎利用イメージ(引用元:Meta Akita)
学業や医療関連への進出も目指す
本サービスは日本ユーザーも使えるが、海外での秋田犬の需要増を踏まえ、グローバル向けの展開を見据える。
Meta Akitaは「DID/VC分野の技術を学業や医療関連の記録に使っていく」と記者会見で述べ、今後さまざまな領域でサービスを展開していく意欲をみせた。また、「あたらしいユースケースを作り、秋田の創生のために取り組んでいきたい」と語った。
参考:発表
画像:Shutterstock
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