2014年に破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.GOX)が5日、ビットコイン及びビットコインキャッシュ(BCH)の弁済を実施したと明らかにした。これにより、経営破綻から10年を経て、債権者たちの手元に資産が返ってきたことになる。
日本時間午前には、マウントゴックスが47,229BTCに及ぶビットコインを別のウォレットに送金したことがARKHAM Intelligenceのデータで判明していた。
日本時間5日、マウントゴックスの複数のウォレットが数時間にわたって2件の少額取引を行った。そのなかで最大のものは24ドル(約3,864円)だった。その後、47,229BTCの中の44,526.95BTCは別のあらたなアドレスへ移動し、そのうち2,701.78BTCはマウントゴックスのウォレットに戻された。
先月下旬、破綻したマウントゴックスは7月初旬にも債権者に対してビットコインとビットコインキャッシュの弁財を開始すると発表していた。その額は約90億ドル(約1兆5,000億円)に及ぶ。
マウントゴックスの弁済や政府による清算が売り圧力に
マウントゴックスによる弁済が実施されたことで、暗号資産市場では警戒売りが先行し、全面安となっている。
ビットコインは一時54,500ドル(約877万円)を割り、イーサリアムも2,900ドル(約46万6,000円)を割った。
マウントゴックスの動きと同じく、ドイツ政府も保有する大量のビットコインを売却するという懸念が市場にある。ドイツ政府は海賊版映画サイト「Movie2K」から押収した約50,000BTCを保有しているが、6月19日には約4億2,500万ドル(約684億円)に相当する6,500BTCを別アドレスに移動させたことがARKHAMのデータで判明した。4日には複数の暗号資産取引所に1,300BTCを送金したことも判明している。
あわせて、米国政府も3,000ETH以上のイーサリアムを清算する可能性が浮上した。
こうした要因が暗号資産にとって大きな売り圧力となっており、今後もしばらく不安定な動きとなる可能性がある。
参考:発表
画像:Shutterstock
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