三菱UFJ信託銀行は3日、monoAI tecnhology社と提携し、DID(Deccentralized Identifier=分散型ID)とデジタル証明書(Verifiable Credential=VC)を用いたメタバース空間「KAMITSUBAKI STUDIO presents バーチャル謎解きミステリー『魔女謎解(まじょなぞとき)』with HELLO OSAKA」の活動履歴証明に関する実証実験を実施することを発表した。
本実証実験の技術パートナーであるTOPPANデジタル社及びZEROBILLBANK JAPAN社の協力のもと、メタバースの新規利用者を想定した個人情報の登録を不要とする利用データの保管を検証するという。
三菱UFJ信託銀行とmonoAIは今回の実証実験を通じて、メタバースにおける新事業の創出に取り組み、安心かつ安全なデジタル社会を形成することに貢献していくという。
本実証実験の概要は、三菱UFJ信託銀行とmonoAIは、昨年3月のメタバースのサービス認証機能に関する実証実験を実施後、DID/VCのメタバースにおけるユースケースを検討してきた。
本実証実験では、事業者がユーザーに関する情報取得の多寡を適切にした仕組みを用いて、個人と事業者の双方にとって安心、安全なデータ連携の在り方、処理フロー、パフォーマンス、ユーザビリティ、イベントへの寄与度について検証する。
実施場所は、メタバースプラットフォーム「HH cross EVENTS」。情報連携の検証として、まず魔女謎解DB(データベース)にユーザーの個人情報を保持することなくユーザー識別可能なデジタル証明書(セーブVC)を発行する。ユーザーはセーブVCを利用し、イベント内の中断した地点から再開可能の有効性を検証するという。
DIDを活用したデータ・マーケティングにおいては、ユーザーが必要に応じて魔女謎解DBに個人情報を登録することでデジタル証明書とDIDを紐付けし、イベント参加状況などのデータを登録以前に遡り分析の可能性を検討する。
デジタル証明書を活用し、バーチャルから現実社会への送客においては、魔女謎解を完了したユーザーに対して、魔女謎解以外のイベントや現実社会でのキャンペーンなどに利用可能なデジタル証明書(クリアVC)を発行する。この取り組みを通じて、デジタル証明書活用の拡張性を検証する。
今後、三菱UFJ信託銀行とmonoAIは「魔女謎解」で発行されたデジタル証明書の現実社会や別のメタバースイベントへの活用など、拡張性について共同で継続して検証していく方針だ。
参考:発表
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