国内暗号資産取引所OKCoinJapanは16日、不正送金対策の強化に伴い、一部金融機関からの入金制限措置を講じると発表した。発表によると、今回の対応を通じて三菱UFJ銀行からの入金受付を原則一時的に不可とする。
制限対象は個人口座を利用するユーザーで、4月23日16時より入金制限措置を講じる。これに伴い、OKCoinJapanは三菱UFJ銀行を入金元金融機関として登録しているユーザーに対し、他金融機関の利用を促している。
入金制限措置以降の入金については、OKCoinJapanの口座へは即時反映せず、原則として組戻しによる返金処理や厳格な原資確認等を実施するという。
今回の対応に至った背景について、OKCoinJapanは今年2月に金融庁・警察庁より銀行等に対して不正送金対策の強化に関する要請が行われたことを強調した。
この要請は不正送金事犯を始め、特殊詐欺の被害金が、暗号資産交換業者が銀行に開いた顧客預託口宛に送金される事例が多発していることから行われたものだ。
金融業界全体での連携の必要性を強調
OKCoinJapanのCOOである八角大輔氏はIoliteの取材に対し、「金融庁・警察庁からの不正送金対策に対応したもの」と強調した上で、「OKCoinJapanでは顧客本人以外の入金を認めていない。これまで、不正送金対策の一環で銀行と連携して振り込み人の照合を行なってきたほか、他暗号資産取引所に先んじて入金元金融機関の登録制を導入し、不正な入金を防いできた。今後もこの対応に変わりはない」とコメントした。
三菱UFJ銀行からの入金受付再開については「もちろん可能性はある」と続けた。なお、現時点ではほかの金融機関からの入金受付を不可とする予定はないという。
現在、日本の金融機関では口座名義人名と異なる依頼人名で送金することができる。OKCoinJapanではこうした現状に対応する形で、登録時の名義人以外の入金を認めていない。
また、八角氏は「OKCoinJapanとしてはユーザビリティを考慮し、今回の発表に至るまでにさまざまな対応を事前に行なってきた」と述べる。
「不正送金対策を一層強化する意味でも、暗号資産業界にとどまらず、金融業界とのより強固な連携が不可欠だ。全体で取り組んでいく姿勢を持って進めていく必要がある」と強調した。
参考:発表
画像:Shutterstock
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