レイヤー2スケーリングネットワークのポリゴン(MATIC)が、2023年にイーサリアム(ETH)とほぼ同数のユーザー数を獲得していたことがわかった。ブロックチェーン分析会社フリップサイド(Flipside)の調査によって判明した。
2023年、イーサリアムが1,540万人のユーザーを集めたのに対し、ポリゴンは1,524万人を獲得した。その差はわずか約16万人となる。
イーサリアムは1秒間に最大15件のトランザクションを処理するが、ポリゴンは1秒間に最大7,000件もの処理が可能な点が特徴だ。ネットワーク手数料(ガス代)についてもイーサリアムよりも非常に安価であることから、NFT領域等で活用されることが多い。
フリップサイドは獲得したユーザーについて、特定のブロックチェーン上で少なくとも2回のトランザクションを行った者をユーザーと定義している。そのため、1回しかトランザクションを行っていないユーザーを加えた場合、イーサリアムを抜きポリゴンが1位になるという。
2023年上半期、ポリゴンはユーザー獲得数で首位に立っていたが、後半期から年末にかけてイーサリアムが獲得数を追い抜いたという。
昨年1月、ポリゴンは同年の総ユーザー数の約40%にあたる約280万人を獲得した。なお、フリップサイドのデータによればビットコインは約1,065万人のユーザーを獲得して3位だった。ソラナ(SOL)とアービトラム(ARB)がそれぞれ4位、5位と続く。
また、オプティミスム(OP)、アバランチ(AVAX)、ベース(Base)を含む8つのブロックチェーンを追跡する集計データから、合計約6,200万人のユーザーを獲得したことが判明した。
フリップサイドは、ユーザー獲得数が5月にピークに達し、その後は徐々に減少していったと報告している。3月から始まったユーザー獲得の上昇が、シリコンバレー銀行の破綻に関連していると指摘した。この出来事を受け、中央集権型の金融組織に対する信頼性が弱まり、ユーザーが分散型保管システムに移行するようになった可能性があるという。
ベースの広がりに注目か
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が注力しているブロックチェーン・ベースに関しては、昨年8月のリリース時点で新規ユーザーを加速度的に獲得していたが、年末にかけて大幅に減少したようだ。
それでも、今後ベースが強気サイクルを通じて暗号資産へのゲートウェイとなる可能性があるとしており、多くの新規ユーザーを獲得していくだろうと予測している。
参考:調査発表
画像:Shutterstock
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