米リップル社は26日、パラオ共和国と提携し、XRPレジャーを活用したステーブルコイン「Palau Stablecoin(PSC)」を試験導入すると発表した。
「Kluk」とも呼ばれるこのステーブルコインは米ドルに価値が裏付けられ、XRPレジャー上で発行されるという。第1段階ではパラオの政府職員と民間企業から約200名が参加するとのことだ。
リップルは運用モデルについて、USDコイン(USDC)やテザー(USDT)など、ほかの民間による準備金担保型ステーブルコインに準じたものだとしながら、PSCはパラオ財務省が監督をしている点で大きな違いがあると主張する。
具体的には、パラオ財務省が常に1:1の準備金を保証し、ステーブルコインの発行と償還を監督すると説明している。
パラオのスランジェル・ウィップス・ジュニア(Surangel S. Whipps Jr)大統領は、「国家デジタル通貨の発行を支援するリップル社との提携は、パラオ国民に大きな金融アクセスを提供する金融イノベーションとテクノロジーをリードするという我々の取り組みの一環だ」とコメント。
また、「通貨をデジタル化することで、経済と政府のプロセスを動員して金融取引を改善し、国民に力を与えたいと考えている」とし、「パラオは小さな国であり、ステーブルコインの発行において革新的で機敏であるという利点がある。私たちはCBDCとブロックチェーンにおけるリップル社の長年の専門知識と、国民により大きな経済的成功をもたらす国家デジタル通貨の発行を支援するカーボンニュートラルなXRP台帳を信頼している」と続けた。
なお、PSCがパラオ国民にとって経済活動を支援でき安全かつ効果的な金融ツールであると信頼してもらうために、パイロット版におけるフェーズ1の成功基準として以下を達成する必要があるという。
- パラオ財務省が安全かつ確実にPSCの発行、配布、処理を行うことができ、24時間365日リアルタイムで流通総額を完全に制御しながらPSCの破棄もできる。
- パラオ政府職員は販売時点での支払い手段としてPSCを使用し、一部の小売店で商品やサービスを購入する。
- パラオの小売業者は、PSCを使用して個人による支払いを安全かつ確実に受け取れる。
パラオ財務省のジェイ・ハンター・アンソン(Jay Hunter Anson)氏は自身のTwitterで、「Klukは成功すれば、商品やサービスのあり方に革命を起こす」と述べ期待感を示した。
参考:発表、アンソン氏Twitter
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