SEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は13日、2025年度予算に関する公聴会でのイーサリアム(ETH)現物ETFの承認に対する質問で、「今夏中に最終承認されるだろう」との見通しを明らかにした。
この発言は共和党のビル・ハガティ上院議員(Bill Hagerty)がゲンスラー委員長にイーサリアム現物ETFの承認に関して質問した際のものだ。ゲンスラー委員長は「夏の間には個々の発行体が承認されるだろうと予想している」と答えた。
イーサリアム現物ETFについてはほかにも「イーサリアムがコモディティで分類されるかどうか」についても質問があったが、ゲンスラー委員長は明確に答えなかった。一方、CFTC(米商品先物取引委員会)のロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)委員長は簡潔にイエスと答えた。
ゲンスラー委員長は答弁のなかで、SECがイーサリアム現物ETFを承認し、職員が個々のETF発行者と連携してS-1(登録届出書)が有効となり、ファンドが本格的に始動できるように取り組んでいると主張した。
また、「我々は実際に、政府機関としてイーサリアムを承認した。しかし、部分的に承認しただけで、承認はまだ完全ではない」と付け加えた。
CFTCによる監督は「権限の整備次第」
CFTCが暗号資産市場の一部を規制できるかどうかとの質問に対して、ベーナム委員長は「有価証券とみなされるトークンに関する規制にギャップがある」と言及。暗号資産市場をCFTCが規制するためには、監督に必要な権限などを整備する必要があるとの認識を示した。さらに、CFTCが暗号資産市場の一部を監督する場合には、予算の増額が必要になると指摘した。
ゲンスラー氏は同じ質問を受けた際、ためらいながら「SECはCFTCにはない、『開示に基づく』体制がある」と答えている。
参考:公聴会
画像:Shutterstock
関連記事
SEC、イーサリアム現物ETF発行者にS-1登録届出書提出求める
SEC、イーサリアム現物ETFの上場申請を承認 8銘柄を一挙承認