SEC(米証券取引委員会)が、世界最大級の暗号資産(仮想通貨)DEXを運営するユニスワップラボ(Uniswap Labs)に対して、法的強制措置の警告を通知するウェルズ通知(Wells Notice)を行ったことが明らかになった。ユニスワップがブログで明らかにした。
SECはユニスワップに警告した理由は明らかにしていない。ユニスワップはブログで、「SECによる暗号資産取引所大手コインベース(Coinbase)などに対する訴訟、米国内で合法的に活動している者に明確性や登録への道を提供することに消極的である点を考慮すると、これはブロックチェーン上にテクノロジーを構築する優れた企業でさえも標的とする政治的な取り組みであると結論付けるほかない」と強く批判した。
このウェルズ通知に対して、ユニスワップは徹底的に戦う姿勢をみせている。なお、DEXの運営は今まで通り行うという。またあらたな商品も出していく方針とのことだ。
また、ユニスワップはSECによる「ほとんどのトークンは有価証券である」との主張に対しても「トークンはさまざまな種類の価値を保存することが可能だ。すべての紙が株券でないのと同様に、トークンも本質的には有価証券に該当しない」と述べた。その上で、ユニスワップのような流通市場で取引されるトークンは投資契約が必要ないと主張している。
現在、SECは多くのトークンを有価証券としてみなす動きをみせているが、ユニスワップはこれについて「企業が登録するための道を作ることを拒否している」と語る。「ユニスワップが提供する製品は合法であるだけでなく、変革をもたらすものであると確信している」と続けた。
ユニスワップは創設者兼CEOのヘイデン・アダムス(Hayden Adams)氏が立ち上げたDeFiサービスだ。中央管理者のいない取引プラットフォームとして高い流動性を提供している。現時点で2兆ドル(約310兆円)超の取引を処理した。
なお、この発表があった当日、ユニスワップのUNIトークンの価格は10%超下落。記事執筆時点でも暗号資産(仮想通貨)市場全体の下落に伴い、前日比約35%価格を落としている。
参考:ブログ
画像:Shutterstock
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