SEC(米証券取引委員会)は24日、ブラックロック(BlackRock)のイーサリアム(ETH)現物ETF「iShares Ethereum Trust」に対する上場申請の承認判断を45日間延期した。SECの提出書類で明らかとなった。次の判断予定日は3月10日となっている。
SECは「規則変更案とそのなかで提起された問題を検討する十分な時間を確保するため、規則変更案に対して措置を講じる期間を長く設定することが適切であると判断した」と提出した書類のなかで述べている。
先週SECが提出した書類によると、フィデリティ(Fidelity)が申請している「フィデリティ・イーサリアム・ファンド(Fidelity Ethereum Fund)」も審査判断が延期された。
ブラックロックは昨年11月、SECに「iShares Ethereum Trust」の上場を正式に申請していた。ブラックロックはデラウェア州企業局にiShares Ethereum Trustを登録し、その1週間後にSECへ申請を行っている。ビットコイン現物ETFの申請を行ってから6ヵ月後のことだった。
10月初旬には、グレースケール(Grayscale)も「イーサリアム・トラスト(Grayscale Ethereum Trust)」を現物ETFに転換する申請をSECに行った。最初に判断されるのはハッシュデックス(HashdeX)やヴァンエック(VanEck)で、5月に審査結果が明らかになることから注目を集めている。
ブルームバーグのETFアナリストであるジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は「SECはイーサリアム現物ETFの承認判断を今後数ヵ月にわたって延期するだろう。重要な日付は5月23日だ」と述べている。
イーサリアム現物ETFの実現に楽観的な見方
多くのアナリストはイーサリアム現物ETFの誕生について楽観的な姿勢をみせている。また、多くの資産運用企業においても、ビットコイン現物ETFが承認された今、暗号資産市場で2番目の規模を誇るイーサリアムの現物ETFが承認されることも既定路線であるとの見方が強い。
SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、24日のメディアブリーフィングで「2週間前にもいったように、ビットコイン現物ETFの承認というのは、あくまでもこの商品に限定されたものであり、それ以外の暗号資産においても同じことが行われると解釈するべきではない」と述べ、改めてイーサリアム現物ETFについて否定的な姿勢を示した。
イーサリアム現物ETFの実現に向け、まずはイーサリアムの有価証券性を明確にする必要があるとの指摘もある。SECとしても、まずはイーサリアムが証券か否かを判断する必要があると考えているようだ。
参考:発表
画像:Shutterstock
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